お住まいは静岡県の熱海の近くです、東京近郊なので複数回伺って、その度に気になるところを少しだけ(パネルの高さを変える、音の障害物を移動するなど)修正して、後はオーナーにお任せでチューニングしたオーディオルームです。かれこれ1年半くらいになるでしょうか (2004年秋) ・・・

 音楽志向のオーディオルームとして完成の域に達したと思っています。ハイエンド機器を寄せ集めた抜けるような青空の音とは言えませんが、とにかく音楽が楽しい!

 やや硬めで超低音のエネルギーが強いサウンドですが、一日中聴き続けても疲れを感じない上質な音楽に仕上がっています。

 「話だけでは、納得の行かない方も多いでしょう。提灯記事じゃないの?。
よーく分かります。今まで散々裏切られて来ましたものね。お互い。ご興味のある方は、機会がありましたら、拙宅へお越し、味わってみて下さい」 (レポート1文中より抜粋)

 とのことですから、ご都合を伺ったうえでご紹介いたします。
  

レポート1 レポート2 レポート3 レポート4 レポート5 レポート6 レポート7 レポート8 レポート9 レポート10 home8 に戻る

ルームチューニング〜そして得られた至福・安らぎの時〜 2004年9月26日
   
T.サーロジック式ルームチューニングにより我が家の音楽環境がやっと待ち望んだ納得の行くレベルに達した、と言う話です。システムのラインナップは後述してありますが入門クラスではないが、ハイエンドと言うにも程遠い構成内容です。見方により判断は色々でしょうが、中程度+α位と自分では思っています。(ご判断はお任せいたします。システム自体が問題ではないので)

 そのシステムから、出て来る再生音楽としての味わい、雰囲気、空気の伝わり方(高揚感)は今までに味わったことの無い、この一連の作業無くしては絶対に得られない全く別次元の変貌をもたらしたのです。簡単に言えば、今までも約35年もの長い時を掛けてシステムのグレードアップに血道を費やし、自分なりに努力して来た訳ですが、今振り返ってみるとそれは何だったのか、結果として殆ど意味を成していませんでした。

 勿論これは自己責任のなせる業で他の誰にも責任を追及出来るものではありません。しかし、冷静に考えてみても一般的にオーディオが趣味として成り立ってきた35〜40年位前から、現在に至るまで我々ユーザー(マニア・ファイルとも言う)を先導し,引っ張ってきた評論家・メーカー・販売店の責任は大変に重いものがある、と言わざるを得ない。

U.そこで小生の感じたことを素直に記述します。
1. 評論家
 昔の評論家(?)の中には実際、部屋の構造体を含めて積極的に提案していた方もおられたが、今は製品のレベルについてのみ言及しているのが大半。我々一ユーザーに比し圧倒的多くのサンプルを試聴し、論じるだけでなぜ、評論家、先生と言う肩書きで飯が食えるのか。謎解きをすると、評論家・メーカー・雑誌社三者の互助制度に他ならない。(こんなことは敢えて言わなくても分かっている事実でしょうが)

 少し、突っ込んで組合せの話、これなどもただ単にコンポーネントまでのことでそこから先はユーザー任せ。これだったら、少し、文章能力があり、話としての表現能力があるなら、もっと容易に職業としてのパイが広がり、個性的で且つ独創的な人材が育っていても良い筈である、が現実はそうなっていない。何が原因なのでしょう。各誌を見渡してみてもメンバーは不動の4番バッターみたいに略固定化され、その結果、高齢化に至っている。これは正に老害。言葉だけをひねくり回し新しい内容は何も無い。能力に長けた新しい若い血の導入が必要なのだが、自己保身の為、雑誌社ともども新規参入を拒んでいるみたいだ。どこかの世界と同じようですね。

2.メーカー
 質の向上を謳い文句にスペックの追求に余念が無く(特に日本メーカー)使って楽しい音楽表現・デザイン・形状(フォルム)等の追求はお座なりにされている。黎明期としては機器そのもののレベル(技術力)の向上が多分最優先に考えられ、ユーザー側もとにかく良い音で音楽が聴かれれば取敢えずは十分の世の中であり、その先までは考えも及ばない時代であったから当時としては止むを得なかったかも知れない、と思っている。
しかし問題はその姿勢が、延々と現代に至るまで結果として続いている訳で、一部HT関連で全体像の提案等積極的に問い掛けるメーカーも出て来ているのは朗報と言えるかも。(正にホンの一部)

 こういう状態では、当然小さなパイの食い合いになり撤退・倒産する企業も増えるのは当然。展望能力に欠け、他社の真似で食える時代ではなくなったことを意味し、本質的に中身を追及し開発しなければならない、と言う我々ユーザーにとっては良い時代の到来でもある。

3.販売店
 殆どの場合、売ったらお終い、でアフターケアーをしっかりやっている販売店は皆無。最近のIT普及で比較的簡単にHP等の情報が双方向で得られるようになった為、昔よりは良くなったがまだまだの感。トップを始めスタッフにどれだけの専門的能力を持ったものがいるか、となると極めてお寒い状態。売り捌きの能力だけで通用する時代ではなくなって来ている。教育出来る範囲も限界がある中で難しいと思われるが、これを真剣にやっていかなければ、耳の肥えた(追求度の高い)ユーザーには太刀打ち出来ない、と思います。

 そんな中、逆にガレージメーカーの中にはやりたい放題のところも出て来て、野放図状態になっている。このIT化の進展に伴いメッセージ性が強いものは抵抗無く受け入れるという下地も出来つつあり、言い換えれば、効果があるのか無いのか、検証も十分済んでいない製品が巷に溢れ、結果的に被害を蒙るのはユーザーである。価格の多寡に拘わらず、極端に言えば詐欺紛いの商品に引っ掛からない為にも本物を志向し、(売れれば良い商品と言うスタンスは止めにして)アフターケアーをしっかりサポート出来る体制にして貰いたいものである。

4.オーディオ関連雑誌社
 各社雑誌を読むに付け、基本的姿勢が昔と全然変わってなく、相変わらずの製品紹介・マニアの自宅訪問・SP・アンプ等の工作記事、等々新鮮味が感じられない、のと前述の一握りの著名評論家の洗練された?ものの言い回しにより何かお墨付きを頂いたような錯覚に陥らされる危険なわな?にまんまと引っ掛かって大枚のお金を注ぎ込んで来られた方も多いと思います。(小生もその一人ですが)
全てを否定している訳ではありません。従来からのやり方を安易に踏襲するのではなくもっともっと紙面構成を工夫する余地があるのではないか。

 ユーザーが最終的に何を望んでいるのかと言うと大半は自宅で音楽に気持ち良く身を任せられる時間を持ちたい、と言うことでしょう。コンポーネントの組合せは飽くまでも過程であって最終目標ではないのです。然るに金太郎飴のように馬鹿の一つ覚えのようなワンパターンの繰り返しの紙面構成は発展性も何も無く、当然結果として読者離れに歯止めが掛からず、雑誌社の縮小にも繋がるのです。ただし、セッティング、データ測定等で終わらずに最終的にケアしてユーザーも納得の状態でデータも聴感上と一致したものが得られる、と言ったところまで来れば、ある程度先行きが見える訳で満足度は全然違う。視点を変えて紙面を検討して頂く時代ではないでしょうか。各社とも個性化、差別化が図られておらず、もっともっと生き残りを掛けた真剣なサバイバル競争の中で独自のスタイルを希求して貰いたいものです。

V.色々と提言・苦言を記述して来ましたが、捨てる神あれば、拾う神ありの例え通り、救世主が現れました。
 現状のような成熟した製品群(中には怪しいものもある)が溢れんばかりの世の中で一番大切な部分の追求・アピールが出来る専門家が如何に少ないか。(限りなくゼロに近く)悲嘆に暮れていた折り、現れたのです、小生の知る限りただ一人のトータルコーディネーターが。
それがサーロジック村田氏です。

 彼のやっていることは我々マニアが長い間やって来たことが結果的に無駄になってしまうことにもなる可能性がありますが、言い換えるとそれをやらなければ、これからもず〜と同じことの繰り返しで結論が、見出せぬまま、人生を終えることになってしまう。(この趣味を愛好している場合、全然オーバーではない)こちらの方が極めて問題であると思っています。要するに如何に自宅で音楽をリラックスした状態で楽しむことが出来るか、の本質を真摯に追求しておられるその人なのです。

W.そこで突然ですが、質問です。あなたは次の内の何派、でしょうか。
1.
所有欲の権化派?(自分ではそう思いたくないでしょう)・・・高級・高額・有名ブランドで固めるが、実は自分で判断が付かない(若しくは第三者任せに出来る太っ腹な方)ので販売店のお奨め通り購入出来るリッチな方・・・システム自慢が最優先で持つこと自体に喜びを感じて音楽環境は二の次、三の次の方。

2.
ハイエンドシステム志向派・・・機器依存が高く、自分なりに情報を集めてシステム構成をし、あーでもない、こーでもない、と悪戦苦闘し、比較的経験も豊富な方。最高級とは言えなくてもラインナップは結構高額な状態にあるケースが大。

3.
ピュア・オーディオ志向派・・・機器依存は高いが、周辺の環境により音楽環境は構成される、との認識から部屋の作り、機器周りのベース(土台)等に一応の対策を講ずるも納得が得られず、長い経験にも拘わらず、不完全燃焼し、もやもやしている方。

4.
アクセサリー派・・・所謂アクセサリー類の切ったはったを繰り返し、纏まりの付かない中での音の変化を改善された、と間違った意味で思い込んで、結構とんでもない方向へ行ってしまってメーカーの思惑通りになってしまっている方。(でも楽しいかも)

5.
ヴィンテージ派・・・古きものに郷愁を覚えるのを否定する訳ではありません。しかし、どう判断しても今のものより性能が高いとは思えません。小生も、若干ですが、過去にこの道に入ったことはありますが、オブジェとしての価値観(フォルムの美しさ等)位にしか評価出来ません。(今は懐かしきものは良いオブジェとなっている)

6.
自作派・・・オール・アンプ・SP自作等範囲は様々ですが、基準(レファランス)となる物差しが無い為、極めて自己満足の典型になり勝ち。右へふらり、左へふらりしている状態ではないですか。楽しいとは思いますが、基準は大切。御一考を。

7.
音楽鑑賞派・・・特にシステムに拘りが無いため、一番早く良い状態へ近づける可能性のある方。ただし、普通は所謂マニアと距離感があるため、こう言うサイトを見て、貰えないのではないか、と心配しています。

以上、大雑把に分類しましたが、分類自体に特別意味はありません。
 この中でよい音楽環境に到達出来ない派は勿論、無いと思いますが、難しい派はあります。これからをどうするがターニングポイントになる、と思われるので潤沢な資金に恵まれ裸の王様になりつつある方・種々のことにおいて異常なる拘りを捨てきれず、人の意見に全く聞く耳を持てない方を除き、素直に聞く耳を持っておられる方は全員平等にチャンスが訪れます。ただし、その結果、今までに意味の無い膨大な無駄金を使ったと、悔やまれる方も出て来るでしょう。でも、これからも同じことを繰り返さなくて済み結果的にコストの低減が図られるのですから、これは授業料と思って潔く、諦めましょう


X.さて本題に入ります。
 現在、サーロジック社村田氏自ら、無償ルームチューニングというサービスで全国行脚されておられます。HPあるいはオーディオ誌に掲載されたもの等で推察すると、それぞれ条件の違う中、すべからく我が家と同じか、それ以上に改善され、ユーザーから感謝の声が寄せられている。小生は勿論我が家のことしか分かりませんが、簡単に言って超低域から超高域まで極めてスムーズに、吹け上り感、ドライブ力、エネルギッシュな力強さ、微細な部分の明瞭さ等、最終的に「チューニング+SW使用」による音場創成からなる一体感が心地よく体を包みこむ、正にコンサートホールのスウィートスポットで音楽に身を委ねている感じになったのです。(自宅での鑑賞ですから、リラックスした状態で楽しめ、更に気持ち良くさせてくれる)

 現状システムからのレベルアップも驚きの結果が得られ、感謝に耐えませんが、時間等の都合が付けば、是非やって頂きたい提案があります。ミニマム(構成・コスト等)なシステムにLVパネルを使って、どの位の効果が出せるのか。要するにこの位(低ければ低い程面白い)であれば、十分音楽に身を任せ楽しめる、と言う最低レベルを知りたいのです。大変でしょうが、是非やって頂き我々にフィードバックして貰いたい。(行脚中のモデルは上記の2.3.6.に加えホームシアター派が多くレベルは決して低くないように見受けられる・・・小生はHTには関心が無いので上記に記述しなかったまで)これが実現出来れば、何もこの不景気な世の中、大金をドブに捨てることなく且つ生活に支障なく純粋に音楽を楽しめる。更に言えば特に際立った能力の無い評論家・ライターと言われるような人種も不要となり、必然的にレベルの高いものだけが残り、関連商品のコスト低減にも繋がり業界の健全化に寄与すると言うものです。

Y.話を戻します。今までのチューニングから得られたデータでもかなりの高級・高額システムから徐々に身軽にかつ低コスト化にもって行っても、全然遜色なく、と言うより事例次第ではお金を掛けた意味が全然分からない、と言うよりお金を掛ける必要性そのものが無いのでは、という事例もあったとか。

 これが実現され、素顔美人になったとき、これは福音というより、この趣味の世界に於ける大革命です。現状から次元の違う変貌が得られるだけでも、ユーザーは大喜びですが、更に突っ込んでこの事実がこの程度(低ければ、低い方が良い)の金額で得られる、と言うことが分かれば、驚かない人は居ないのではないでしょうか。勿論女性の化粧と一緒で素顔が良ければ、化粧のやり甲斐もあるでしょうし、それこそ高級と言われるものは普及帯のものに比し(本来はより良く表現されて良い筈の)質感・雰囲気(個性)等が付加され、益々あなたライクに変身させられる訳です。

閑話休題
 ここまでお付き合いいただいた方はお気づきでしょうが、小生は原音再生などを全然追求しておりません。元々機器自体にそれぞれ個性があり、聴く我々にも多少なりとも(実はものすごく)個性があって当然な状態の中、全然イコライズされないフラットな状態が実現出来る訳が無い、からです。簡単に例を挙げると、所謂アルテックの音が好き,JBLの音が好き、何て言っている人が大半の趣味の世界です。元々原音に好き嫌いなんて関係がありません。従って、聴いていて気持ちの良い所謂コンサートホールの雰囲気を自宅で味わうことが出来るのが味噌なのです。

 小生もオーディオとの付き合いが約35年、生半の経験ではないと思っておりましたが、実はそれ程のものではなかったのです。そしてこのチューニングにより「目から鱗」状態になってしまったのです。随分遠回りしたものです。

 話だけでは、納得の行かない方も多いでしょう。提灯記事じゃないの?。
よーく分かります。今まで散々裏切られて来ましたものね。お互い。ご興味のある方は、機会がありましたら、拙宅へお越し、味わってみて下さい(茶菓等の御もてなしは出来ません、悪しからず)。標高450m位の山中にひっそりと佇むぼろやですが、かなりの音量で毎夜楽しんでおります。

 以上は飽くまでも小生の主観で、サーロジック社の感じ方・意見等は確認しておらず、その意味では関係ありません。そういうことですので仮にお越し頂きお聴き頂いたとしても全員に高いレベルでの感慨を与えられるとは、思いませんが参考にはなると思います。その折にはあなた自身の率直な感想をお聞かせ下さい。最後に言いたい放題のご無礼をお許し下さい。(これでも未だ言い足り尽くしてはいないと思っておりますが、この程度が小生の文章能力の限界ですのでお許し下さい。又、読みにくいところも多々あったと思いますが、専門家ではないので悪しからずご了承下さい)
最後までお付き合い頂いた方には感謝致します。有難うございました。
以上

因みにラインナップを記します。(それ程のものではありません)
種類 機器名
 CDプレイヤー  CD1(エアボウ)
 高域補正プロセッサー  BBE882
 プリ  マークレヴィンソン 26L
 パワー  マークレヴィンソン 27L
 メインSP  PMC OB−1
 補助トゥイーター  CLT−2(エアボウ)
 サブウーファ  デジキューブ2x2




home-8-sub