スピーカーの能力をとことん使い切るための”部屋直し”、”部屋作り”
その2
  
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その1 その2 その3

拡散反射と平面反射を組み合わせてルームチューニング
      リスナー自身の頭部伝達関数がサウンドステージを作る

●存在感の強いライブと存在感の希薄なライブを適正配置すると楽器の佇まいが見えてくる。

B: 楽器の佇まいを作り出すエリア。立体的な(V字形など)拡散反射音が、Aの処理で作ったサウンドステージに楽器の佇まいを与える。
 Aとの境目に平面を残すと、アンサンブルの解像度がアップする。
 最もクリティカルなエリアであるにもかかわらず、オーディオラックやスクリーンとの折り合いをつけなければならない難しいエリア。ベストなセッティングが選べるとは限らないので複数のバリエーションを開発済みです。

 SPのバッフル面より手前にラックやTVが迫り出すと、サウンドステージが不自然に歪みます。TVは可能な限り後退させてください。キャビネットの奥行きの半分くらいは必須です。

 「B」の位置が空間であれば、蝶番で連結した1200〜1300サイズ
(注1)のパネルを山型にしてセンターに置いて下さい。ボーカリストの佇まいが明確になり、咽の開き具合のような細かなニュアンスまで聞き取れるようになります。

 センターパネルの開き具合は、ロック系では狭く、クラシック系では広く、が標準的な設置方法です。狭くすると解像度が優先され、広くするとアンサンブルが優先されます。

 LVまたはStainVeil の山を二つ作ると、クラシックからジャズ・ポップスまで全てのジャンルに適合するサウンドステージになります、ボーカルの佇まいが更にブラッシュアップされます。


注1●リスニングチェアの座面が低ければ1200、ダイニングチェアのように高ければ1300。
A: サウンドステージを作るエリア。
 Hi上がり・超低音上がり・ミッドバス下がりの拡散反射音が音楽に心地よさを誘う。
 鏡像法による検証で明らかなように、スピーカーを部屋のコーナーに置くと背後から戻るLo上がりの反射音がミックスされて再生音がブーミーになる確立が高い。また壁に当たる音圧が高いので壁板が125Hz〜250Hzで振動しブーミーを助長します。

 反射音の100Hz以下の上昇は音楽に心地よさを誘うので若干の上昇は許容されるが、ミッドバス(125〜250)の上昇は音楽から心地よさを奪うので許容できない。壁振動を抑えるべきですが、抑えきれない場合はミッドバスを吸音するしか手がありません。

 Lo上がりに比例したHi上がりの処理が音楽に躍動感と心地よさを与えます。

 低音の反射音を増強し、ミッドバスを吸音し、高音域を拡散反射するStainVeiL1800パネルの設置が有効です。壁に固定するか、蝶番で連結して自立させてください。

片手で持ち上がってしまうような質量の小さい拡散パネルは、それ自体が低音で振動するので役に立ちません。この位置に質量の小さい調音パネルを置くと逆効果になります。

C: 吸音するとサウンドステージの奥行きが失われる、かといって強い反射があると頭上が喧しくなる。
 反射音の存在を感じさせない平面反射がベスト。
 スピーカー背後の拡散音が一旦途切れて天井につながらないとホール上空の深さのある奥行き感が得られない、得もいわれぬ上空の漂い感を作るには、反射音の存在を感じさせない平面反射音がちょうど良い。

「A」,「B」 の壁面処理がオーディオルームで必要最小限のチューニングポイントだが、この位置のパネルの背丈と角度を変えるだけでスピーカーの音質とサウンドステージの形を大きく変えることができます。例えば「A」の部分に背丈が低いLV1200パネルを用いたチューニングでは、スピーカーの音質改善の意味合いが強くなり、背丈が高いStainVeil1800パネルを用いれば、音場も含めたルームチューンの要素が強くなります。

 「B」のパネルはボーカルの口元の高さを決定するため通常1200〜1300mmを用います。リスニングポジションまでの距離が十分とれる場合は1500mm〜1800mmを使うこともありますが、稀なケースです。シアター兼用のオーディオルームの場合、スクリーン裏に1800mmを置くとスクリーンの中心付近に台詞が定位します。

●側壁に拡散反射を配置すると、サウンドステージの左右への広がりが増え、奥行きも深くなる。
D: 「A」と同じHi上がり・超低音上がり・ミッドバス下がりの拡散反射音がベストだが、高さに要注意
 「E」に拡散反射があり、「D」の壁面が強固で壁振動によるミッドバスの輻射が無ければ平面を残してもかまわない(拡散パネル不要)位置。壁振動があれば振動を抑制するついでに拡散反射にすれば「A]の効果の補強になります。背丈は「A」より若干低目が良く、「A」が1800mmであれば1500mmにすると視覚的なバランスも整います。

 手前のエッジをスピーカーのフロントバッフルに揃える程度が標準位置で、手前に迫り出してしまう場合は聴覚による高さの調整(低くする)が必要になります。

 「D」を1200-plus(ジョイント穴付き)にし、アジャスト可能にしておくと調整のバリエーションが増えます。


E: リスナーの耳の高さ程度の拡散反射面にすると、奥行きと解像度のバランスが整う
 サウンドステージに広さと奥行きを与える重要なエリア。ミッドバスを抑えた拡散反射音を適度に配置すると、サウンドステージの奥行きが深くなります。しかし拡散音が多すぎるとアンサンブルの解像度が低下するなど弊害が出ます。最もバランスが良い高さが、リスナーの耳の高さくらいです。

 この拡散パネルを前後(SP側〜リスナー側)にスライドすると、奥行きと解像度のバランスが変わります、最適位置は部屋ごとに異なりますが、一次反射のポイントより多少SP寄りにベストのポイントがある確立が高いようです。

 Eの補助として高さ600mmのパネルをリスナーの左右付近から後方に複数枚配置すると、コンサート会場やライブハウスで感じる足元を這う低音が増加します定在波が原因の低音不足も補うことができます。


F: Gallery-bassoを使う
 床がカーペットまたは畳敷きの場合には、必ずコントラバスやベース、キックドラムなどの低音楽器がウーファーの高さに定位してしまい音楽の安定感が失われる現象が起こります。中音域の楽器も同じ高さに定位するので、アンサンブルの解像度や楽器間の分解能が低下したようにも聞こえます。

 「F」の位置にGallery-bassoを置き低音楽器の倍音を増やすと低音楽器が着地して演奏ステージに安定感が生まれます。低音楽器が着地しその上に中音楽器が乗る響きになるため、アンサンブルの混濁感が解消してスピーカーシステムの価格ランクが一桁上がって聞こえます。

 スピーカーキャビネットとGallery-bassoの間には300mm前後の隙間が必要です、ベストポイントは耳で捜せば直ぐに見つかります。Gallery-bassoは単体では効果を発揮できません、スピーカー周りの拡散処理(Aの位置)でサウンドステージを確立してから設置してください。

 フローリングの床でも低音楽器がウーファー位置に浮き上がる現象が起こります。Gallery-bassoで低音楽器の倍音を引き寄せると地に足の着いたピラミッド型のサウンドステージになります。

 Gallery-bassoはLV300〜600で代用可能ですが、LVパネルは高音楽器も引き寄せてしまうので、サウンドステージが下方にまとまる傾向が出ます。

G: 反射音の存在感が希薄な平面壁がベストだが、フラッターエコーは厳禁
 左右壁面を拡散反射壁にすると楽器の解像度が落ちます。吸音壁にすると音楽の躍動感が失われてしまいます。

 従って平らで硬い(ミッドバスで振動しない)壁がベストなのですが、フラッターエコーを抑えないと楽器の音が喧しくなり、左右方向の解像度の低下と、サウンドステージの奥行きが失われる現象が発生します。

 新設のオーディオルームであればリスナーに向かって扇型に開くか、鋸歯状の壁面とすれば良いのですが、既設の部屋の壁を建て替える改装は簡単ではありません。

 新築・改築のどちらにも使える3度の傾斜をもつ偏向反射パネルがGallery-waveです。

 壁面に設置すると3度の傾きがフラッターエコーを消去し、表面のスリットがミッドバスの輻射を抑制します。壁面固定または専用の木台に乗せて傾斜パネルとして設置してください。

後方の壁面は拡散反射性が良い、背後からの反射音はサウンドステージの奥行きを深くする
 後方からくる拡散反射音はサウンドステージの奥行きを深くします、左右コーナー付近に平面壁を残しておけば後方からの拡散反射音はいくら増やしても解像度を落とすことがありません。

 スピーカー周りのチューンでサウンドステージを確立してからお試しください。