お金がジャブジャブあった80年代のレコード会社の黄金期のスタジオ設計の手法も織り交ぜながら豊富な体験でセルフデザインを徹底解説。自信がもてたらセルフビルドにも挑戦してみよう。
緻密な計算をして理詰めの設計をすればするほど、その部屋のオーナーの好みを取り込まなければならない一番大切な竣工後の調整が不可能になる。 お金がじゃぶじゃぶあった頃のレコード会社のスタジオでは楽器の素材にもなるような高価な壁材を惜しげもなく破壊することができたが、そんなことは不可能である。 「おかしいなー、いつもこの作り方で良い音が出るのだが・・」と、設計者は帰ってしまう。もちろん設計料も建築費も戻ってはこない。 大工さんの気遣い一つで部屋の響きは変わってしまうのである。同じ図面による施工であっても、同じ音が出る確立の方が低い。・・と言うことを忘れてはいけない。 ルームパラメータの4悪を可能な限り排除し、セルフビルドが可能な単純な構造とする。ルームパラメータの2善をルームチューン的手法で最適値に追い込む。既存の部屋の改装にもそのまま応用できる設計。 |
● 下の部屋の天井を剥いで303mm間隔の梁で2Fの床を補強する。 ● 補強とフラッター対策を兼ねてスリットの入った斜め壁を作る。 ● 天井もスリット状に板を貼る。
と決めて見積もりまで進んだが予想外にコストがかかる・・。いっそのこと新築しちゃおうか・・。あれよあれよという間にotoさんの心は新築に傾いていきました。 otoさんの友人の真下(まっか)棟梁は振り回されて大変だったようです。真下さんお疲れ様でした。 |
札幌では、「ちょっと様子を見に行くか」ができない距離です。遮音壁と調音壁を分離する案を第一案としました。 二つの壁を分離するメリットは大きく、リスニングルームにありがちな無機質な板張りのイメージから脱皮することが出来ます。 躯体から分離して調音壁を作るため、完成後の手直しが何度でも可能で、デザインの追求とサウンドの追求が両立します。後で沢山遊べるのが最大の特徴です。
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3間 x 4間 の部屋はリスニングルームとして丁度良い大きさです。同程度の体積が確保できれば、この部屋と同じ音のリスニングルームが複製できます。 適度な固さで床・壁・天井が仕上がれば(ここが難しいのだが)、施工中の誤差は調音パネルで補正可能です。パネルの特性を変化させてオーナーの好みを反映させることもできます。 例えばこの部屋を施工した真下棟梁が作れば、施主(現場監督)不在でも同じ音の部屋に仕上がります。
oto さんのブログの写真を隅々まで見ていただき、文書化が難しい細部のノウハウの補足としてください。 |
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昨年(2008)6月4日の地鎮祭から建設が始まり、2ヵ月後の8月初旬竣工、続けて9日〜10日にStainVeilパネルとLVパネルによる反射音の最適化とミッドバスの吸音を実施し、8月12日に完成まであと一歩のレベルに達したピュアオーディオ専用のリスニングルームです。その後 otoさん自らの改修の繰り返しと、パネルチューン・測定を繰り返し、1年4ヵ月後の09年12月15日のルームチューンで完成と相成りました。その経過を時系列に並べた測定データによりご紹介します。 撮影:2009年12月15日 ![]()
撮影:2009年10月28日 ![]() <グラフ 1> otoさんのオーディオルーム・リスニングポイント 1/3 oct 伝送特性 測定:2009年10月28日
オーディオルームを無響室のようにデッドに仕上げれば伝送特性は限りなくフラット(SPの特性)に近付くが、楽器の存在感が欠落した単なる音になってしまう。 一方そこそこライブに仕上げれば、伝送特性は波うち、如何にも音が悪そうに見える低域特性になるのだが、豈図らんや対照的に豊かな表現力を得て躍動感たっぷりの音楽を奏でてくれる。 otoさんのオーディオルームはサーロジックのデモルームとしてラフスケッチが出来上がっていた図面を基に、建築現場の状況を加味した修正を加えながら完成したプレ・デモルームです。 私(村田)の持論として、木造の場合、位相干渉や定在波が再生音に与える影響は大きなものではなく、机上設計で検討する必要はない。と考えていたので、位相干渉や定在波による伝送特性の乱れを予測して回避する策を講じて設計したものではありません。しかし<グラフ1>のように十分満足のいく伝送特性を得ることが出来ました。 |
理想的な特性に比べ、ほど遠いデータしか出ませんが、細いディップを無視して平均値の良いポイントを探せばOKです。SPを横長配置にした方が良い結果が得られるエリアが広いようです。 壁の反射率と反射回数でシミュレーションの結果が大きく変化するのですが、本件では、壁の反射率:0.7、反射回数:2で実測値に近い傾向が得られました。低音域は反射音が広がるので計算外の反射音が回り込むことでディップが埋められ、実測値はシミュレーションより改善されます。 位相干渉による伝送特性の乱れはSPとリスニングポジションの選択で改善の余地がありますが、定在波による乱れは回避の方法がありません。しかし本件の実測データから分かる通り、許容範囲に収まるようです。 「低音域のブーミー=定在波」が定説になっていますが、「低音域のブーミー=壁振動によるミッドバスの輻射音」が正しい答えですから、定在波は無視が妥当な対処方法です。 但し上記の考え方は音楽観賞用のオーディオルームに適用されるもので、録音スタジオなど、プロ仕様の音響設計では古典的な吸音の理論が健在です。しかしそのスタジオで音楽製作をするプロデューサやミュージシャンは、感情表現が豊かで、楽曲のイマジネーションを誘発してくれる表現力豊かなスタジオ空間を嗜好しています。 スタジオを造る側の建築デザイナーは古典理論を駆使して伝送特性フラットを追求しているのですが、音楽を創造する側のミュジシャンは、むしろオーディオルーム的特性を嗜好しているのです。-->スタジオの音響特性参照。
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部屋の響きはスピーカーの音と同調して音楽を奏でる伴奏者に見立てることができます。伴奏者がへたくそだとソリストも力量を発揮することが出来ません。どのような部屋を与えたらスピーカーが十二分な力量を発揮出来るのか? カーネギーホールのスウィートスポットで間接音と直接音のエネルギーを計測したら、9:1であった。Bose901開発の起点となったデータ。--Doctor Bose-- 12畳間で残響時間0.25秒、スピーカーからの距離 3m という条件を設定してみると、間接音のエネルギーが85%くらい、直接音が15%くらい。(12畳で0.25秒はデッドな部屋)--加銅氏-- など、間接音の支配力の大きさを示すデータです。
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<グラフ 6> 測定:2008年8月9日 --■--:実測残響時間 --◆--:最適残響時間 測定生データ1 |

”リスナーを音楽に引きずり込む説得力が足りない” こんなときは部屋を含めたオーディオシステムのディテールの描写力を高めてから原因を探るのが常套手段です。 演奏ステージ上の楽器の佇まいを明確にし、左右はもとより、前後・上下の立体表現を確立すると、楽器の実音に重なって模糊としていた残響音の動きが明らかになって、残響音の質感が聞き取れるようになります。サウンドステージを生み出す作業です。 サウンドステージを再現する素材はソースに含まれる残響音などの間接音です。その間接音を楽器の実音から引き離して後退させると演奏家の立ち位置が明確になって、リスニングルームの広さなりにダウンサイジングされたサウンドステージが姿を現します。 LVやSVパネルによる拡散反射音は明確な定位情報を持ちません。その性質がボーカルや楽器の実音を前面に残したままソースに含まれる残響音や反射音をパネル側に引き寄せる働きをして、フロントに楽器の実音、背後や周辺に間接音が配置される奥行きのあるサウンドステージを作り出すのです。 サウンドステージを引き出すSVパネルの配置例は沢山の事例から体系化してHPでご紹介しているので、otoさんが設置したパネルも妥当な位置に置かれていました。でもサウンドステージが不明確なのです。 ● センターパネル 3セット(SV1200ct x 2, LV1200ct x 1) ● リアのLV1800/10枚は変わらず(LV1800 x 10) otoさんのブログ2008年8月12日参照 こんなときは記憶の引き出しを片っ端から開いて可能性のある反射パターンをとっかえひっかえ確認します。サウンドステージが明確になるパターンにぶち当たりました。 本件ではセンターパネルを3カ所に配置した下記写真の形となりました。 更に微調整の結果、センターパネルを前後にずらした形がベストで、80〜150Hzの残響過多も改善されました。 音が良いと耳が判定した時、測定データもそこそこ良いことが多いのですが、下記グラフのように最適残響ラインに寄り添う美しい形になっていました。 誣いて不満を探せば、高音域のきらめきの不足でしょうか。低音大好きのotoさんですが、50Hzの響きもできれば抑えたいところです。
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<グラフ 7> 測定:2008年8月9日 --■--:実測残響時間 --◆--:最適残響時間 測定生データ2 |

きらめきの帯域は5000〜8000Hzです。合板のなかで木肌が美しく硬さも備えたバーチ合板で内装を行い、きらめきの帯域の残響時間の確保を目論んだのですが、5000Hzで最適残響ラインを割り込む結果となりました。 8000Hzで残響時間 0.56秒は決して短くない値ですが、全帯域の相対値で残響音の質を感じ取る聴覚の特性が、8000Hzの残響音が中音域より少ない --> きらめきが足りないと感じてしまうのです。 オーディオルームの内装としてよく使われるシナ合板に比べればバーチ合板は十分に硬い材質です、しかし8000Hzの最適残響時間を達成するには役不足でした。 フローリング材のような銘木の堅木を壁や天井に使えば 8000Hzの残響時間が最適残響時間を超えてくれるのか? これも怪しいかもしれません。大幅なコスト増にもなります。 高級感が出ないと思われているのか? オーディオルームの内装材に使われた例は見たことがありませんが、LVパネルやSVパネルの裏板に使っている針葉樹のラーチ合板が音楽を愉しく聴かせる性質を持っています。表面に浮き出る年輪のでこぼこが高音域を拡散反射しているためであろうと思います。 リスニングルームではありませんがラーチ合板を内装に使った美しい部屋の参考例です。本文はこちら。 LVパネルやSVパネルは、部屋の中の特定の場所に置いたときにしかその効果が発揮されず、置き場所を誤れば返って解像度を落とすことがある。という事実で明らかなように、むやみに部屋中を拡散反射性にすることは出来ません。唯一リスナー背後の壁面だけは大量の拡散反射音があってもOKの場所です。
フロント〜リアに発生するフラッター消去のため、リア壁面の LV1800 x 10 を 3210 x 10 に変更することにして、このパネルに高音域の拡散反射特性を組み込むことにしました。 そこで本日の仕上げとしてデモ用のパネルを運び込み、 LV1800の上や手前の床などに並べ、パネルの総面積を LV3210 x 10 に近づけてフロントパネルの微調整を行いました。 ● フロントのセンターパネル3セット(SV1200ct x 2, LV1200ct x 1) ● リアにLV2400相当を10枚(LV1800 x 10 と LV600 x 10 を積み重ね) ● リアの床にLV600を12枚程度(LV600 x 12) 聴感チューニングの結果、下記のパネル配置でOKとなりました。 撮影:2008年8月9日 ![]() 地震があったら大変・・・ と思いつつ LV1800の上に LV600を2段積み重ねるLV3000相当のテストも行い、これもOKです。音はダントツ本日のベストで、音が円やかにもかかわらず楽器の粒立ちが良く、ボーカルを聴くと、男声、女声ともに歌声に湿り気が感じられ、思わず聞き惚れてしまいます。 高音域にひと味の輝きが加わったならば文句なしのOKである、と otoさんも私も確信を得ました。しかしこの日が頂点で、ひと味を求めて16ヵ月間の停滞期に突入することなど、慮外のことでありました。 撮影:2008年8月9日 ![]() 実測残響時間の形は概ねOKです。最適残響時間ラインとのズレのうち、100Hz以下は全く問題なしの許容範囲。ミッドバス(160〜315Hz)も中音域の残響時間と同等または若干短めであれば良いのでOK。 ひと味の輝き不足は4kHz以上の帯域の残響時間の下降によるものですが、測定結果を見なければ気がつかない範疇のクォリアの領域の輝き不足です。しかし知ってしまうと更に上を望むのが人情で、otoさんの苦闘の始まり々です。 暫くのあいだ(2008年9月〜2009年11月)ルームチューンは otoさんにバトンタッチとなり、もうひと味の輝きを求めてパネルも部屋もウレタンで塗り固められて行きます。初期反射音の高音域が増え音としての輝きは増すものの、歌声の湿り気が減って音楽のクォリアの低下が目立ってきます。 |
<グラフ 8> 測定:2008年8月9日 --■--:実測残響時間 --◆--:最適残響時間 測定生データ3 |

2008年10月06日 (LV3210パネルをリア壁面にビス止め設置して調音・測定) オーディオルームの初回調音から2ヵ月が経ちました。LV3210(1800+1410)を後ろ壁に斜めに固定して「オーディオハウス完成宣言」が今回の段取りです。 撮影:2008年10月8日
![]() otoさんによるニス塗りの効果を確認すべくLV3210取り付けに先立って残響時間の周波数特性を測定した結果が<グラフ9>です。<グラフ8>と比較してみると、残響時間の3k〜6kHzが若干増えているようにも見えますが、測定誤差の範囲内です。しかし音は確実にドライ方向に向かっており、高音域の初期反射音は確実に増えています。 一方160Hz以下の低域特性が懸念材料として浮上しました。<グラフ8>に比べ<グラフ9>では、125Hz前後の残響時間(実態は振動時間)が長くなり、63Hz、80Hzの残響時間が極端に短くなりました(注)。この時点では原因不明。 63Hz : 1.26sec --> 0.681sec 80Hz : 1.21sec --> 0.692sec (注):D.Cube2HXの超低域再生能力をぎりぎりまで駆使して測定した<グラフ9>には31.5Hz以下ののデータが含まれています。<グラフ8>と単純比較すると低域特性が全く違うように見えてしまいます。40Hz以上を比較してください。 この測定でHXのパワーアンプを壊してしまい、LV3210パネル取り付けと調音後のS/Nの良い低域データは得られておらず、グラフは割愛しますが、4ヵ月後に測定した<グラフ10>によく似た特性です。 ルームチューン後の音楽の表現力は初回チューンの時と大差ありません、歌声が乾き気味になった点が気がかりですが許容範囲に入っておりグレードの高い音楽を奏でています。音のエネルギー分布が若干高音域寄りになったかな? くらいの印象です。 |
<グラフ 9> 測定:2008年10月6日 --■--:実測残響時間 --◆--:最適残響時間 測定生データ081006 |
2009年02月15日 (スキーのついでにルームチューン) 静岡、愛媛、道内から沢山のお客様が視聴に見えるので、その前日にルームチューンを行いました。思ったような音にはなりませんが、そこそこにまとめ上げた結果の残響特性が<グラフ10>です。ニス塗りの面積が広がっているので(otoさんのブログ2008年10・11月参照)高音域の反射音が強くなり、63Hz、80Hzの残響音不足が顕著になってきました。 完成直後と現状を比べて大きく異なる部分は、 1.LV・SVパネルや壁面にウレタンニスを塗った。 2.リアパネルが自立から壁面固定になった。 3.リアパネルの表面構造を高域反射型に変更した。 の3点です。この中で低音の残響時間減少に関係しそうな項目は(2.)だけですが、パネル固定前の<グラフ9>で既にその兆候(63Hz、80Hz低下)が現れている点と整合がとれません。ニスの影響もあるのか? 今回も暫く様子見です。 |
<グラフ10> 測定:2009年2月15日 --■--:実測残響時間 --◆--:最適残響時間 測定生データ090215 |

2009年10月28日 (部屋中ウレタン塗装、ソナスのエリプサが入りルームチューン) スピーカーシステムがソナス・ファーベルのエリプサに変更になり、低域が豊かになって63Hz、80Hzの残響音不足が解消したかのような鳴りっぷりです。エリプサに合わせてSVパネルを調整して音場を作り、気になる欠点を潰していくと、素晴らしい音になった、という頂点が必ず見つかります。 この日も時間がかかったものの十分に満足できる音に仕上がりました。ところが一晩睡眠をとり、脳がリセットされると昨日の音が出ないのです。時間を掛け過ぎたチューンでよく起こる現象です。 学問的な解明がなされているか不明ですし、言葉が妥当ではないかもしれませんが、人間の脳内にはイコライザが存在します。昨日と同じ音が出ない理由は一晩の睡眠で脳内に形成されたイコライザがリセットされてしまったことが原因です。この現象が起こるうちはシステムに周波数特性的な欠陥があると思ってまちがいありません。暫く音楽鑑賞を続けると新たなイコライザか形成されて昨日の音が蘇ります。 昨年8月の初回チューンでは、この現象は皆無でしたから、部屋の状況は確実に悪くなっています。 オーディオルームの内部を見渡して目に見える変化は、ウレタン塗装が部屋中に施されたこと、背面パネルの設置方法が変更されたこと、の2点です。何れかに原因があるのだろうと思っていましたが、先入観に惑わされていたようです。残響音の測定データに新しい事実が表れました。 測定用の音源位置を変更すると、<グラフ11><グラフ12>のように200Hz以下の低域特性が大きく変化するのです。測定音源のスピーカー位置が変わって背面パネルの特性が変化する可能性は0%。D.Cubeの振動がダイレクトに伝わる場所、つまり床が怪しい! その後の経過は otoさんのブログ2009年11〜12月を参照してください。 |
<グラフ11> 測定:2009年10月28日 --■--:実測残響時間 --◆--:最適残響時間 測定生データ091028-1 |

<グラフ12> 測定:2009年10月28日 --■--:実測残響時間 --◆--:最適残響時間 測定生データ091028-2 |

測定:2009年12月15日 (いよいよ完成間近) 信州まつもと <--> 札幌新千歳は2日に一回しか便がありません、いつも2泊3日の日程ですが、予想外のトラブルや新事実の発見があっても対応する時間がありません。今回は月曜日から金曜日までの長期日程で、耳休めのスキーを組み込んで最終調整です。 床がしっかりして(otoさんのブログ2009年12月6日参照)、63Hz、80Hzの残響時間が正常な値に戻り<グラフ13>、低域の包容力が復活しました。一瞬の発音からどんどん変化してしまう楽器の実音を送り出す伝送特性の低域フラットより、残響音として部屋中に残り続ける長い響きの方が音楽再生に与える影響力が大きいのです。 100Hz以下は耳の感度がどんどん落ちて行きます、暫く鳴り続ける低音がないと低音らしさを感じることが出来ないのかもしれません。シアターの低音には、ド・サ〜ンと響く尾鰭(おひれ)が加えられています、サーンがあると低音らしさが増大するのです。 床が緩んで<グラフ11>に現れたミッドバス(100〜200Hz)が徐々に増えたため、ウレタンニスの塗りすぎが見過ごされてきましたが、設計強度の床に戻ってみると高音域の反射が多すぎてSVパネルによる反射音制御がうまく機能していません。サウンドステージの形が崩れていました。 サウンドステージの形は、スピーカーのバッフル面がステージの最前列になる横長の長方形をイメージしてください。otoさんの調整はセンターが手前に張り出し、左右の袖が正面のコーナーに向かって後退する二等辺三角形になっていました。この形では音楽の緊迫感がリスナーに伝わってきません。 包容力のあるサウンドステージが醸し出す深みのある佇まいを体験済みのotoさんにとって、殺伐とした気配で耐えられない音だったのでは?・・。 三角形の原因はステージの左右をリスナー側に引き寄せるサイドパネル(下記写真の↓から二つ右側のSV900)の効果が半減していたためで、パネル周辺の平面壁からの単調で強すぎる反射音がその原因です。SV1300パネルを↓の位置に置いてサウンドステージが四角になりルームチューンは8割方完成です。
基本的なサウンドステージが出来上がると細かいところが聞こえるようになり、ルームチューン続行です。 <要細部チューン1>: 天井の反射が強いので天井までの距離が短い前方に残響音の余韻が集中してしまい、楽音の余韻の尻尾がリスナーを包んでくれない。 <要細部チューン2>: 天井からの反射音が強く、サウンドステージが上空にせり上がっている。
撮影:2009年12月15日 ![]() 壁面にルーターでスリットを彫り込めばリブが不要になって美しく仕上がるのだが変更や微調整が難しい。otoさんの改造意欲が納まるまで、この状態にしておくのが無難でしょう。 |
<グラフ13> 測定:2009年12月15日 --■--:実測残響時間 --◆--:最適残響時間 測定生データ091215-1 |

2009年12月15日 (完成) フロントパネル〜前側サイドパネル ● LV1200ct x 1 ● SV1200ct x 2 ● SV1800sp x 2 ● SV1500 x 2 ● SV600 x 2 ● SV1300 x 2 ● 石パネル x 2 ● SV900 x 2 ● 石パネル x 2 ● Gallery basso x 2 後ろ側サイドパネル〜リアパネル ● SV600 8枚程度(左右壁面、テーブル横) ● LV3210 x 10相当 撮影:2009年12月17日 ![]() ![]() ルームチューン続行の結果、フロント天井から落ちてくる中高域の反射音を減らす布が増えました。1kHz〜3kHzの残響時間を短くして相対的に5kHz〜8kHzを目立たせる目的も兼ねています。吸音スカラホールを使いたいところですが、1kHz以下も吸音してしまうので今回の目的に合いません。otoさんの奥様に助っ人を頼み、札幌駅近くの布地屋さんに買い出しです。 布地は口から3センチくらいのところに布を広げ、チッ・チッ・チッ・チッ、チュッ・チュッ・チュッ・チュッなどの破裂音の反射を聞いて選別します。選んだ布は衣服の裏地に使う光が透けて見えるポリエステル製で、薄いけれど糸一本々は硬目で高音域の吸音が少ない布地です。<グラフ14>のように1k〜4kの残響時間の出っ張りだけが抑えられ、最適残響ラインの形に近付きました。これで完成です。出るはずの音がやっと出て安堵しています。 ところで建築終了後のルームチューンは、かかっても2〜3ヵ月と思っていました。土台の柱の設置方向が設計と異なることに気付き、リカバリーしたつもりであったのですが・・ 確認不足でした。たった一つの見落としがルームチューンの完成を1年遅らせる結果となりました。 オーディオハウスの構造には大工さんの常識と相反する仕組みが数多く含まれています。図面と電話の打ち合わせだけでオーディオルームを作るのは到底無理、と言うのが今回の貴重な教訓です。otoさんも仕事そっちのけで現場監督に徹したのですが、施工の行き違いが発生しました。トータルの労力を考えると建築現場に張り付くのが最善の策のようです。
<グラフ14>が完成時の残響特性です。最適残響時間と実測残響時間のズレが二カ所残りましたが、初期反射音を使った微調整で聴感上問題がない範囲に追い込みました。 左右壁面に貼り付けた細い反射リブが高音域の反射音に存在感を与え、残響特性の8kHzの不足を補完して解決。 25Hzを頂点とする超低音の残響過多は、柱強度より壁面の板強度が勝っており、壁全体が一枚の振動体になって振動していることを物語っています。柱強度を上げればピークが下がるのですが、次の理由により様子見で良いでしょう。 今回のルームチューンは時間がたっぷりあったのでotoさんと一緒に沢山のCDを聴きました。25Hzの振動音は同じ壁面に貼り付けたリブの効果で高音域の反射音がミックスされて楽音と混じりやすいエネルギーバランスとなり、多くの楽曲で超低音の包容力の増加に聞こえるようになった。例外としてジェニファー・ウオーンズのザ・ハンターの1曲目で圧迫感のある低音を感じたが、たった一曲です。これ以上の躯体いじりは労多くして実りが少ないと断定できます。 その後otoさんから報告がありました。気温が下がり躯体が締まったのか? ジェニファー・ウオーンズの圧迫感も消えたとのこと。これで一安心、寒い間はotoさんの改造癖が小康状態になりそうで、本家のデモルームに専念しようと思います。 ![]() |
<グラフ14> 測定:2009年12月15日 --■--:実測残響時間 --◆--:最適残響時間 測定生データ091215-2 |

個人宅のオーディオルームのように狭く仕切られた空間で音楽を鑑賞する場合、その再生音のクォリティーは、オーディオシステムより寧ろ部屋で決まります。 そして部屋のクォリティーは、悪玉パラメータを徹底排除して実施した、本件の検証結果により、灰色から黒に昇格した反射率の断層を一つ加えて、建物由来の6つのパラメータでコントロールできます。
● 悪玉パラメータは減らせば減らすほど音のクォリティーが向上する要素で、可能なら凡て排除したい共鳴音や振動音、不快な反射音です。 建物の躯体構造(部屋の形や柱の材質・形状)と壁や天井・床の表面材が決まるとその量が確定してしまう要素で、ルームチューンでの改善が不可能ではないものの、新築時や改築時に大工工事に組み込んでしまった方が低コストで完成度を上げられるパラメータです。 otoさんのオーディオルーム新築記 に、コストを抑えて悪玉パラメータを排除するノウハウが満載されています。画像も付いています。 ● 善玉パラメータは増加させるに従い(限度はありますが)再生音が向上する要素で、反射音と、反射音の集合体である残響音。 木造であれば反射音は目一杯増やしてかまいません。増やしきったぞ! と思えたら、測定器でミッドバスの残響時間を計り、ミッドバスのダブツキ成分を吸音すると概略最適残響時間&最適残響特性になります。 測定器がなければブーミングが消えるまでミッドバスを吸音すればOKで、無償ルームチューンで検証済みの方法です。 無償チューンでは、LV600パネルを大量に運び込んでミッドバス吸音過多の状態に追い込み、徐々に減らしてバランス点を見極めます。 普通の作りの6〜12畳であれば、LVパネルまたはSVパネルまたはGallery-SVパネルと、Gallery-bassoパネルを推奨配置に置けば、ブーミングの解消とボーカルや楽器が立体的に定位するサウンドステージの創成が両立します。 壁強度が低くてブーミングが相当強い部屋では、推奨配置のパネルではミッドバスの吸音力が不足することがあります。背の高い拡散反射パネルは設置場所がフロントとリヤに限られますが、背の低いLV600やSV600であれば置き場所に制限がありません。サイドパネルに続けてリスナー周辺に配置してミッドバスの吸音量を増やすことが出来ます。
![]() ![]() ![]() 定在波は発生する周波数では伝送特性にピークやディップができる場所が必ず生じます。本件では、天井11度、左右合わせて6度の傾斜が効いたのでしょう、リスニングポイントの伝送特性に大きな破綻は出ていません。 下記測定グラフが示すように、部屋条件や測定条件が少し変わるだけで伝送特性がコロコロ変わります。伝送特性の善し悪しと、音の善し悪しは1:1では結びつきません。 「伝送特性=耳に届いたときのSPの周波数特性」と勘違いさせるような過去の刷り込みがあるため。伝送特性は再生音の善し悪しを示すものではない、と知性が理解しても、それでも気になってしょうがないのが伝送特性の宿命です。 グラフィックEQを売ろうとする機器メーカーとオーディオ評論家の罠にはまってはいけません。GEQで伝送特性を整えることで音楽の説得力がアップするならまだしも、普通は悪くなるのですから。 伝送特性の谷間の幅が1/3oct以下(下記「伝送特性02」のグラフの120Hzのディップ幅がおよそ1/3oct)になるようにルームチューンできれば、ほぼ無害と思って良いでしょう。 低音の充足感は直接音だけで得られるものではなく。たとえばキックドラムが ’ド’ ’ド’ ’ド’と切れ味よく鳴っただけでは音楽に融け込むタイトな低音感は得られず、’ドスン’ ’ドスン’ ’ドスン’または’ドス〜ン’ ’ドス〜ン’ ’ドス〜ン’と超低音の余韻を伴って初めて切れ込みの良い豊かな低音とヒトが感じるのです。 言い換えれば芳醇な低音感は残響音の支配下にあり、100Hz以下の残響時間が下記グラフのように急激に長くなっていれば定在波のディップを覆い隠して余りある低音として耳や体に届き増す。壁振動さえ押さえ込んでやれば、超低音の響きからブーミー感が発生することはありません。 ![]() 2008/08/09 伝送特性01 偵察チューン・パターン1 (Mic:リスニングポジション) ■センターパネル2set ●後ろの壁に LV1800 10枚設置 ●1800〜3150mmはバーチ合板の平面 ![]() 2008/08/09 伝送特性02 偵察チューン・パターン3 (Mic:リスニングポジション) ●センターパネル3set ●後ろの壁に LV2400(1800+600) 10枚設置 ●2400〜3150mmはバーチ合板の平面 ![]() 2008/10/06 伝送特性03 ファイナル・チューニングに先だってoto さんの2ヶ月間の奮闘の成果を確認 (Mic:リスニングポジション) ●センターパネル3set ●後ろの壁に LV1800 設置 ●1800〜3150mmは段ボールなどでフラッター対策 2008/10/06 伝送特性04 ファイナル・チューニング途中経過(Mic:リスニングポジション) ■センターパネル3set ●後ろの壁にLV1800設置 ●1800〜3150mmはバーチ合板の平面 |
また部屋中隅々まで同じ音が届くので、特定のスィートスポットが発生せず、部屋中がスウィートエリアになる、という特長もあります。しかしリスナーに向かって音が飛んでくる肉迫感が足りない、という欠点があり、万人の支持は得られていないSPです。
高音域はSPキャビネットのサイズに比べて音の波長が短いため(10kHzで3.4cm)、音の迂回(回析現象)が起こりずらく、サウンドステージの生成に必要な量の高音域の反射音が得られなくてサウンドステージが生成されません。
SPの後に漏れてくる高音域を増幅して跳ね返す仕組みが作れたなら、音を前に押し出す普通のSPのタイトな音に、球面波SPの得意技である、例えばボーカルの佇まいが明確な唄に込められた思いが涌き上がるような奥行きのあるサウンドステージを付加することが出来るのではないか・・・? との推測が成り立ちます。 体験していなければ信じられないことと思いますが、LVパネルなどでSP背後の壁面から跳ね返る初期反射音の高音域を増やすに従い、単一指向性の普通のSPが球面波SPの特性を合わせ持つようになってスウィートスポットがどんどん広がっていきます。 前に押し出されるタイトな音を堅持しながら、例えばボーカルの佇まいが明確な唄に込められた思いが涌き上がるような奥行きのあるサウンドステージが付加されるのです。 音を前に押し出す力が強すぎてサウンドステージに縁が遠いと思われているホーン型SPでも、水平拡散能力が高いGallery-SVパネルと組み合わせれば奥行きと高さのあるサウンドステージを合わせ持たせることができます。 反射パネルの背丈もアジャストして部屋中がスィートエリアになったときがルームチューンの完成です。
oto さんのオーディオルームはお客様に発想の転換を迫ることでしょう。 ● リスニングチェアは、音楽のスピード感溢れるオーディオマニアを唸らせるスウィートスポット。 ● 壁際のベンチは低音の包容力溢れるリラックスサウンドのスウィートスポット。 ● 部屋のコーナーは低音によじれがあるライブハウスのようなスウィートスポット。 一つの部屋で沢山の音場を楽しむことが出来ます。 ![]()
例えばSPをフリースタンディングに配置して、ボーカルや楽器が3次元ホログラフィーのように定位する奥行きや高さのあるサウンドステージを作ろうとするのであれば、平行壁を総て排除する覚悟が必要であり、新築や改築した方がローコストでルームチューン向きではありません。 部屋中をカーテンだらけにすることでフラッターを消去する方法もありますが、楽器の質感を脳内イコライザーで補完する特技をお持ちの方を除けば、「音楽の躍動感が消失してしまう」。「3次元ホログラフィーは望むべくもない」。などの理由によりお勧めできません。LVパネルやGallery basso、Gallery Joser などの反射パネルをピンポイントで置く方法がルームチューン向きの方法です。
Gallery-Joser 天井〜床のフラッター消去。壁に付ければ前後左右のフラッターも消去することができる。 ![]() 吸音スカラホール 天井は床や前後左右の壁面に比べれば吸音材使用の欠点がリスナーに聞こえにくい位置です。背後に空気層を持つ吸音スカラホールはミッドバスの帯域までバランス良くフラッターエコーを吸収するため、特定の帯域のみ多量に吸音したときに生じる逆位相感が出にくいことが特長の吸音材です。従って少量(4枚程度まで)であれば、吸音でフラッターエコーを消去することが可能です。 ![]()
その後の設置テストや無償ルームチューンの結果により、石膏ボードや壁紙仕上げの部屋に置く拡散パネルでは、波状痕や凸凹は不要のようだ・・。との結論になり、鉋仕上げの現在の姿の LV や SV パネルになりました。 LVパネル
しかし高音域を全方位拡散させる仕組みが不要という訳ではありません(ルームチューニング徹底解明 / コンピュータ・シミュレーションが明らかにした拡散反射音の振る舞い参照)。 http://www.salogic.com/Basic-RoomTuning/Basic-RoomTuning.htm 高音域を吸音する特性の石膏ボードの面に隣り合わせて、高音域を拡散反射するパネルを置いてはいけない。境目から逆位相の音に類似する不快な雰囲気が発生してしまうことが分かったからです。不快な音の原因は反射音の周波数特性の急変(断層)によるものです。
反射率の断層に類似する不快な音は気柱共鳴を利用した吸音トラップでも発生します。アナログEQやIIR(非直線位相のデジタル)方式のグラフィックEQで伝送特性を補正しても発生します。 不快な音の原因は、気柱共鳴では実音と共鳴音の無相関な位相のずれ。EQでは位相の周波数特性の急激な変化によるものです。
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定在波がブーミングの原因であるかのように説明されることが多いのですが、定在波自身がブーミングを起こすことなどありません。平行壁の間を往復する低音の残響音が位相干渉により2倍に誇張されたり、打ち消されたりするだけのごく単純な物理現象です。 定在波による伝送特性の凸凹はミッドバス帯域以下に現れます。机上で伝送特性のグラフをみるとブーミングの原因が定在波であるかのように見え、疑われて当然ですが、凸凹をグラフィック・イコライザーで補正したって定在波が原因と言われる音楽の躍動感の欠落は蘇らない・・。と云う事実が、定在波以外のところにブーミングの原因があることを示唆しています。
理解していれば 「グラフィックイコライザーをアンプ系に入れる」 という発想自体が生まれないはずです。 部屋の出来不出来に関わらず、スピーカーメーカーのデータシートに記載されている周波数特性の直接音が耳に届きます。しかも最初にです。楽器の音やボーカルの歌声の実音は部屋が悪くても正しく耳に届くのです。 その直後に音楽の抱擁感を司る残響音(定在波やフラッターエコーも一色単に含まれる)が、実音に比べれば遙かに長い時間、室内を埋め尽くすので、リスニングポイントにマイクロフォンを置き、たくさんの瞬時レベルを加算して、その数で割った加算平均が示す伝送特性では、残響音の特性が誇張されて表示されることになります。 伝送特性の凸凹が実音より時間が遅れた残響音の凸凹の集合体であることが分かったところで想像力を働かせると、伝送特性の細かなピーク・ディップは楽器の音色にさしたる影響力を持たないのではないか、との仮説が成り立ちます。
3枚のイラストから、リスニングポイントの位置を前後に動かすと、50Hz、100Hz、200Hzの伝送特性の組み合わせがガラガラ変わり、音の表情もガラガラ変わるように思われますが、聴感で感じる変化は多くの場合基準振動モードの50Hzの変化だけで、低音が少なめ、と感じるか、多すぎると感じるだけです。 つまり音楽鑑賞の立場から見れば、基準振動モードの影響だけ考慮してリスニングポイントを選択すれば良さそうです。
何故ならスピーカーメーカーがギャランティーしている周波数特性の楽器の音が最初に届いており、その後に続く余韻のディップを表しているに過ぎないからです。 ![]() ここまで整理すると、定在波対策は非常に単純化された簡単なものになります。 ●定在波は基準振動モードのみ対策する。 ●幅の広いディップが生じないよう、定在波のディップが二つ以上重ならない位置にリスニングポイントを設ける。 6畳間の前後・左右・上下の基準モードの定在波を図にすると下記となります。
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これが怖くて理詰めの設計者は吸音構造に嵌り込んでしまうのでしょう。上記特性を最適残響時間に追い込んだ経験がなければ、成功すれば音楽が弾んでくれると分かっていても総板張りのオーディオルームに挑戦する気にはなれないのが人情です。 だから普通のオーディオルームでは吸音が必要なのだ!、と言われてしまいそうですが、フラッターの弊害を押さえ込む量の吸音を実行すると(*注)、もともとフラター以下の量しかなかった楽しく音楽を聴くために必要な残響音も分け隔て無く吸音されてしまいます。カサカサのミーラのような楽器の音が横方向に平面的に並ぶだけの紙一枚のオーケストラなんて想像しただけで愉しくないと思うのですが・・・。 (*注):フラッターを残したまま響き過ぎを押さえようとすると、最適残響時間の半分以下の値にならないとフラッターの弊害が隠れない。
高さが限られており、傾斜天井が無理であれば、Galleru Pyramid Joser の出番です。聴覚の意識が集中するスピーカーとリスナーの間の床に置くと最も高い効果が得られます。 ![]() フラッターを消すだけなら、天井に吸音テックスを張るなどの手がありますが、音楽の躍動感が激減するので絶対にお勧め出来ません。音の悪さに嫌気が差しても改修すら不可能です。 床の絨毯も吸音テックスと同じ効果ですから、フラッターエコーを吸音主体で処理したいのであれば Joser と絨毯の組み合わせが良いでしょう。嫌気が差したら何時でも撤去出来ます。
![]() リスナー後方の壁にGallery SV など↑の偏向拡散パネルを付け、フロントにSPパネルとCTパネルがあれば前後のフラッターも止まります。 |