(1)床のカーペット撤去は鉄則ですね。カーペットは低音楽器の力強さを損なって音楽の安定感を失わせるし、高域情報を吸い取って音楽の躍動感も台無しにします。
ルームチューンの基本は、何はさておき、聴いていて楽しいかどうかが第一ですから。お尋ねした時はこの部分が改善済だったのですね。
例えば天井〜床に強いフラッターエコーがあるとき、ぶ厚いカーペットが有効です。しかし失われるものが大き過ぎるのです。フラッター対策は天井側に任せましょう。
(2)フロントの壁面が均一反射性または均一吸音性だと、スピーカーのバッフル平面に唄も楽器も全部張り付いてしまうサウンドステージの平板化が発生します。オーディオ全盛期のころの昔々の音像定位で、演奏者以上にスピーカーが存在感を誇示します。
左右のコーナーとセンターに水平拡散反射音を配置し、スピーカーを若干でも手前に引き出したとき、サウンドステージに奥行きと深みが醸されます。
そしてそれ以外のエリアを強すぎない平面反射に仕上げたとき、解像度や透明度が上がって、ミュージシャンのセンスやテイストが伝わってくる再生音になります。
<コンクリートに漆喰の強すぎる反射音を若干抑制>

但しブーミングの原因であるミッドバスの響を吸音しておくことが大前提で、ブーミングがあると水平拡散反射音の音響効果は半減または失われます。
ミッドバスは LV、SV、SVUパネルが効率よく吸音します。
<LV(左),SV,SVU(右)パネルのミッドバス吸音特性>
 
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