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この景色が部屋に入った真正面の視界に飛び込んでくる。カスミもあって広角レンズで写した小さな写真だと迫力に欠けるが、ど真ん中に聳える泉ヶ岳がこの景色の主役。 初めてのお客様はこの眺望に感嘆して絶句、しばらくして勾配のある天井、SVパネルなどが埋め込まれた部屋の作りに興味深々になるとのこと。 この部屋のオーナーは所謂オーディオマニアではなく、生のコンサートをこよなく愛するクラシックファン。仙台に住みながら東京のコンサートに度々足を運び、そのチケットの半券が分厚いバインダーにいっぱいになっていました。 客人もオーディオマニアではないので、壁に埋め込まれたSVパネルやSTWパネルやらの凸凹をインテリアの一つと思うのでしょう。 ![]() 昨年の夏(2013)、基本設計が済んだ図面を携えて設計士さん同行で上田まで打ち合わせにみえました。ご希望はごく普通の居間にしかみえないけれど、音楽を存分に楽しめるオーディオ的クォリティーを備えたオーディオルームです。 ここさえ押さえておけば失敗はない。というオーディオルーム設計の基本的な考え方に加え、平面反射と拡散反射を組み合わせるときの注意点、拡散反射が必須の部位、平面反射が必須の部位、若干の吸音が必要な部位など、数時間かけて打ち合わせを行いました。 年が変わり内装の仕上げ時期になって、SVパネルの設置に係る壁面の作り方、STWパネルの設置方法など、図面のやりとりがあって、今年(2014)の夏完成した書斎を兼ねたオーディオルームです。 <フロント左> SV900, SV1800 x 2 壁埋め込み <フロント右> SV1800 x 2, SV900 壁埋め込み <リア左> SV1500, STW1500 壁埋め込み <リア右> SV1500 x 2 壁埋め込み <天井は2寸勾配> <左右の壁はノコギリ状に傾斜> 片流れの傾斜天井にするとリスナーの頭の後ろの天井に鋭角な隅っこができる。普段目に入る場所ではないが、美しくない見晴らしだな、と常々思っていたが、一部下がり天井にすれば良かったのですね。 <これがプロの仕事、下がり天が美しい> <パネル配置計画図> <SV1500をSTW1500に変更> 上記パネルに、オーディオルーム完成後の無償ルームチューンで効果を確認した和心とバッソを加えてパネル配置完了。 100%のオーディオ的クオリティーを追求するのではなく、書斎としての居心地を最優先にして完成したオーディオルームです。従って壁強度に係る躯体構造は普通の住宅の作りそのものです。 壁を叩いてみると定在波領域の振動音が出てしまう弱さがありますが、定在波パネル(STW1500)の吸音特性がそこを補い、居心地良し、音良し、お客様がインテリアアイテムと勘違いするパネルの納まりなど、必要十分なクォリティーの素晴らしいオーディオルームになりました。 <STW1500、STWF1500の低音域吸音特性> ![]()
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