無償ルームチューニング 168

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タウシュベツ川橋梁
小雨が降っており約1km離れた対岸からの撮影。薄ボケた遠景画像であったが、
GIMP2.8でトーンカーブをいじったら手持ち撮影とは思えないリアルな画像が現れた。



知床
タウシュベツに続き、知床五湖からカムイワッカの滝、ひたすら知床満喫の一日であった。



 美しく整備されてはいるが一種独特の荒涼とした大自然。とりつからてしまいそうな、さいはての雰囲気、写真で伝わるだろうか? 長野のど田舎から来てそう感じるのだから、都会から訪れたら想像を絶する別世界だ。

知床五湖からカムイワッカの滝を巡った大自然の風景を思い出してしまうと、ルームチューンなんてチッポケな出来事に思えてしまう。

 さてさて気をとり直して本題です。

otoさん宅訪問の目的

今回のotoさん宅訪問の目的ですが、コンクリートやブロックの壁で囲まれたオーディオルームなら地下室やマンションなどに沢山の例があるのですが、連結されていない積み上げただけのブロックで囲まれた部屋はそうそうあるものではありません。

2x4の壁がミッドバス〜低音域の振動を出すのと同じく、頑丈なコンクリートであっても低音域に共振ポイントがあり、2x4と同じく低音域にトラブルを生じます。

経験的には、ブロック塀程度の高さに積み重ねられ、コンクリートで連結されていないブロックの塊は低域共振の洗礼を受けない、

そのブロックを3m超の高さまで積み重ねたとき、どんな雰囲気の空気感が醸し出されるのか、それを見極めるのが今回の旅の目的でした。

この部屋の響の特徴は二つ

1.ミッドバス(125〜400Hz)に注目すると、サウンドステージがややサラウンド状に左右壁面まで拡がり、ボーカルや楽器の佇まいに膨らみがあるものの、石膏ボードや合板壁のようなヌケの悪さや雑味感、逆位相感などの肌合いはない。

サラウンド状の拡がりを若干抑えればミッドバス以上はOKとの印象です。ベースやバスドラムなど、低音楽器の重量感も十分出ている。

2.低音(100Hz以下)に注目すると、55Hz前後の音域に楽器の定位が発散するポイントがある。スピーカーケーブルの片側逆接続で発生するのと同じ逆位相感を伴う音圧上昇である。ブロック個々の振動か? あるいはブロックを積む前の旧壁面の影響か? 判定はできない。

ブロック積みの功罪

 ブロック積みのプラスの要素は、ミッドバスの共振から開放される。低音楽器が沈み込む。

 ブロック積みのマイナスの要素は、ブロックが低域で共振する可能性がある(ぬれぎぬかもしれないが・・)。但し190mm x 390mm に分割された振動体なので大きなエネルギー源にはなりません。



壁の室内側に柱を増設し、柱と柱に挟まれた隙間にブロックが納まっている。柱が3.5寸(□105mm)なら厚さ100mmのブロック、4寸(□120mm)なら厚さ120mmのブロック(要確認)。



32畳デモルームの壁構造(低音を沈み込ませる策)

 沈み込みが深くて躍動感いっぱいの低音楽器。その低音楽器に支えられたその上に中音楽器を配置し、さらにその上に高音楽器を散りばめる。そんな雰囲気を醸し出すためには、下記パースのグレーの部分の壁裏に、厚さ150mmの重量ブロックを積み重ねる(柱の奥行き360mm)。

部屋中同じ高さに積み重ねると立体感が乏しくなるので、低域〜ミッドバスの反射が不要な左右一次反射のポイントにはブロックを置かない。

重たい壁があると実音と反射音を合わせた低音のボリュームが増大する。そこに定在波パネルを設置して低音の雑味を消す。すると超低音の沈み込みが姿を現す。


otoさんもオーディオルームの外側にブロックを積んでいる。



サラウンド対策

 軽いサラウンドで低音が着地しにくい傾向があるので、ベースとバスドラムを着地させ、瞬発音のヌケを改善する目的で和心の両側に背丈600mmのセンターパネルを配置した。



 SV600ct x 2 がミッドバスも吸音するのでサラウンド感が減少。重量壁が本領を発揮してヌケの良い沈み込む低音とミッドバスの制動が効いた弾力のある躍動感が醸された。

<55Hzの共振音の対策>
 ニ枚の定在波パネルをリスナー後方の左右壁面に設置して吸音。位置や角度の試行錯誤を繰り返して対策完了。

 詳細はotoさんのブログ参照
http://otoaudio.blogspot.jp/2014_06_01_archive.html

 ルームチューンが終わった翌日、早朝からニ日間の旅に出た。帯広・知床・釧路、再び札幌。そしてその翌日、たきかわスカイパークでグライダー遊覧。エンジン音の無い空中遊泳はまさに宇宙旅行の気分。otoさんお世話になりました。

TAKIKAWA SKYPARK