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低音楽器がだぶつく 音にモヤモヤ感があり低音楽器の音がゆるくて散漫。と感じるとき、大きく分けて二つの原因が重なっています。壁振動と定在波です。 壁振動 振動が引き起こす低音楽器のダブツキや鮮度の低下は、リスニングポイントはもとより、部屋中どの位置に移動しても同じダブツキが身体を覆います。部屋中駄目な音が壁振動の特徴です。 定在波 定在波が引き起こす低音楽器のダブツキや鮮度の低下は、リスニングポイントは酷い状態にもかかわらず、リスニングポイントから移動して場所を変えると、包容力のあるエレキベースやキックドラムの音が身体を覆う場所があったりします。駄目とOKが縞模様に配置されるのが定在波の特徴です。 柱が頑丈で低音域の不具合が定在波に支配されている部屋であれば、オーディオセットの配置を工夫して縞模様のOK位置にリスニングポイントを合わせれば音の良いオーディオルームになる可能性があります。 しかし大多数のオーディオルームには壁振動と定在波が混在しており、配置の工夫だけで改善できるラッキーなオーディオルームは特殊なケースと言えます。 ところで、この部屋は比較的特殊なケースで、写真でもお分かりの通り、家中の部屋が間仕切りなしで大きな空間として広がっています。石膏ボードに壁紙仕上で遮音がそこそこであることも幸いして定在波はほぼ存在せず、振動音主体のモヤモヤ感が低音楽器の定位や存在感を邪魔立てしていました。 低音楽器の沈み込みが聴こえる 前回のルームチューニング(144参照)により、標準的なパネル配置に加え、和心の両脇の裏返しのSVパネルによりルームチューニングが完成している部屋でしたが、定在波パネルを追加したところ、低音楽器の沈み込みが格段に深くなり、低音楽器の佇まいが明確になって音楽のしっとり感が格段に向上しました。 定在波パネルの100Hz以下の吸音特性が大いに発揮された結果です。 |