無償ルームチューニング 124

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無償ルームチューン
サーロジック
村田様

 先日はお忙しい中お越しいただき、誠にありがとうございました。非常に興味深いお話をお伺いでき、大変参考になりました。

 デモパネルですが、明日ヤマト便で発送させていただく予定でおります。

<中略>

 さて、1週間パネルを使わせていただいての感想ですが、

@いままでの音のごちゃごちゃ感が改善され、すっきり聞こえるようになった。

A今まで聞こえなかった音が聞こえるようになった。
 高音:チェンバロのきらびやかな繊細な音、シンバルの乾いた金属的な音
 低音:パイプオルガンの包み込むような低音、バスドラムの音

B音楽に立体感が出て、各楽器のたたずまいが明瞭になった
 センターパネルの開き方を少し変えただけでもはっきりと音の違いが出るのにはびっくりいたしました。たたむと音がシャープになるようですが、たたみすぎると音が少し不自然に感じられました。

 60年台、70年代ジャズよりも、クラシックを聴くほうが改善の様子がより顕著にわかるようでした。俄然、クラシックが楽しく感じられます。今はパネルのない部屋で聴いているのですが、寂しい感じです。

 今後さらに改善が必要と思われる点ですが、

@低音をさらに「良い低音(うまい言葉が見つからないのですが・・・)」にしたい
  ⇒もっと、シャープな低音、腹にこたえる低音・・・とでも言うのでしょうか?
  ウッドベースの胴鳴りや、弦の振動が体につたわるような感じです。

A音楽に包まれたようなたたずまい・・・になる音場の構築

 天井をたたいてみたところ、かなりブカブカしていましたので、壁とあわせて相当共鳴しているような感じがします。当面はご教示いただいた「つっかえ棒作戦」でしのごうと思っております。

SV/LVパネルの原理

 otoさんおよび御社のホームページをほぼ毎日拝見しておりますが、本当に情報量が多いですね・・・。いろいろと参考にさせていただいております

 ところで、SV/LVパネルの原理で質問なのですが・・・
 吸音、制振、遮音および拡散の原理を利用していると認識しております。

・拡散(高音)→表面松材リブ
・吸音(ミッドバス)→内部フェルト
・制振 →内部横手方向のリブ、ステンレスリブ、およびフェルトと背面パネル間の適度なテンション
・遮音 (低音?)→背面パネル(LVパネルでは強度の関係によりパネルがたわみ、低音も吸音されてしまう)

 *以下、上記の認識があっていると仮定してですが

 御社のHPで、パネルの共振ポイントをミッドバスにあわせてある・・・と見かけたと記憶しております。除去が必要なミッドバスに共振ポイントをあわせてしまうと、逆にミッドバスが増えてしまうような気がするのですが、いかがでしょうか?
(逆位相を与えて相殺させるのであれば、なんとなくわかるのですが・・・・)
■共振させて制振すると共振周波数の残響音が熱エネルギーに変換されて残響音が減少します。一方制振せずに共振させっぱなしだと、共振周波数の位相の乱れた圧迫音を増やします。

 少し話しが飛躍しますが、イヤホンでは騒音に対し逆位相を与え、騒音を除去するものがありますよね? それと同様に、リアルタイムで逆位相を発生させる回路を作り、適当なスピーカーからそれを発することによって、任意の波長のみ減衰させるものは作れないのでしょうか?
■DSPによる適応型FIRフィルターで逆位相の音を自動生成して打ち消すことができます。20年くらい前に盛り上がった研究テーマで、音の伝搬速度が光のように速くて見渡す限り同位相という条件が成り立てば成立します。

 しかし音の伝搬速度は遅い(344m/sec(20℃))ので、ヘッドホンのように空間が限られている条件でしか実用性がありません。

 コンサートホールの空調のダクトの中にSPを仕込み、適用型フイィルターで逆位相をぶつけて暗騒音を減らす装置など、空間が限られているところで実用化されていると思います。

SV(StainVeil)パネル納品後

サーロジック 村田様

 SVパネルはやはり、重いですね。土曜日に届いたのですが、運よく知人の男性が遊びに来ていたため、男二人がかりで設置できました。

 早速音楽を聴いてみたところ、大まかな印象ではデモパネルをお借りした時に感じた音楽のたたずまいが戻ってきました。ただ、この段階では正直デモパネルとSVパネルの違いを聴覚で聞き分けできるくらいの差がなかったようです。

LVパネル & SVパネル の使い分け

 LVパネルとSVパネルの音の差は、低音域(50〜100Hz)のダンピングの差として表れます。パネルを設置する部屋の、壁・床・天井の強度が相当に低い場合(叩いたとき、ドウォ〜ンと低域の余韻がつく)、低音域の輻射音にマスクされて両者の差が現れないことがあります。

 しかし本件のように壁の振動強度・天井の振動強度を上げれば、その差が明らかになります。

 パネル設置以外の改善手段を講じる予定がない振動強度が相当に低い部屋の場合、価格の安いLVパネルの大量導入の方が、同コストのSVパネルより大きな改善効果が得られることがあります。

■下記事例のように、しっかり作られたリスニングルームでは、SVに必ず軍配が上がります(詳細は画像クリック)。
 さらに特筆すべき事がありました。低音についてです。ルームチューニングの際は主にLVパネルでした。LVパネルで明瞭度の改善はもたらされましたが、今回の私の希望である横長配置で得られる低音を縦長配置でも得られるようにするためには、さらに左右の壁にあと2〜3組のLVパネルが必要でした。それがフロントコーナーに設置した1組のStainVeilパネルだ けである程度表現されています。思わず笑みがこぼれてしまいます。
 
 LVパネルとStainVeilパネル、コストパフォーマンスはLVパネルに軍配があがると思っていましたが、これは大きな間違いでした。

 村田様がいらしてくださったときから気にはなっていたのですが、私の部屋は壁をたたくと相当ブカブカしており、オーディオ的にはかなり酷な状況なようです。せっかく送っていただいたSVパネルが、これではもったいないと思い、まずはつっかえ棒作戦決行となりました。

●つっかえ棒作戦
 φ30mmのラミン棒を購入し、写真Bのように天井をダンピングしてみました。すると、今まであいまいだった低音が明らかにシャープになってきました。バスドラムもドスツ、ドスッと聞こえる感じです。

●重量ブロック追加
 次に、石パネルでも作って遊んでみようとDIY店へ行ってみると、表面にいい感じの(?)ミゾが入っている重量ブロックがあったので12個(1個:11kg)買って適当に並べてみました(写真C)

(予断ですが、ブロック搬送中にギックリ腰になってしまい、1週間部屋に置いたままで何もできませんでした・・・)

 さて、腰も治ってブロックをいろいろいじくってみると、これが劇的(!)に音に変化をもたらすことになりました。音がより明確でシャープになり、低音もさらに良い感じでしまりが出てきました。

 ただし、表面についたリブが相当高音域を反射するようで、ブロックをスピーカー横のツイーターの高さまで積み上げてしまうと、かなり耳障りに聞こえます。

 で、高いところのブロックには、昨日追加のブロック(写真で赤く写っているもの:表面が細かいミゾでなく、緩やかにカーブを描いています)を購入し、配置しました。
類似の参考例
 天井強度が低くてブーミングが強い(詳細は画像クリック)

 オーディオルームの壁で強度不足が最も深刻な部位が天井で、ブーミングの最大要因です。LVパネルを増やさずに突っ張り棒でブーミングを抑える方法。

●今の音の状態
 まったくパネルが無い状態と比較しては、オーディオのシステムが別物になったような印象で、非常に気に入っています。ピアノやチェンバロの弦の「なり」までもリアルに聞こえてくる感じで、低音も以前に比べてずっとクリアに聞こえます。

 また、スピーカー背面および横へ漏れ出す音がリスナー方向へキックバックされるようになったためか、以前よりボリュームを下げても十分な音量で聞こえるようになりました。(プレーヤーで音量調整していますが、10dbくらい下げて聞いていても、以前と同じ音量くらいに聞こえます)

 さらに、今まで低音の不足を感じていたため、アンプのトーンコントロールで低音を強調していたのですが、その必要がまったくなくなりました。

 今まで聞きなれていたCDに、こんな音が入っているのか!と感激で、CDをとっかえひっかえ聴いております。

●今後の目標
 これからの目標としては、低音に更なる磨きをかけること、そして音楽に包まれた様な感じを受けるオーディオルームにしてゆきたいと思っております。

今年の冬までには、さらにSV900×2(サイドパネルに)とSV300(ギャラリーバッソの代わり)に購入する予定です。

●後方壁のダンピング
 で、その前に何とかしたいのがリスナー後方の壁です。高さ約2.4m、幅約3.5mが石膏ボード貼りとなっており、内側の支柱も相当ヤワにできているのか、手の柔らかい部分でたたくとドスン、ドスンとまるで太鼓のようです。

これがドロンコーンに様に動いて放出するミッドバスを少しでも抑制できれば、もっと低音にしまりがでるのでは・・・と考えております。

●ダンピングの方法についての質問
 図Aのように、まずは2×4材等で天井と床をつなぐつっかえ棒をつくり、そのつっかえ棒と後ろの壁の間に伸縮可能なネジ等で圧力をかければ、壁を制振できるのでは・・・と思っているのですが・・・




■過去の事例ではSVパネルで壁を作って対応していますが、この方法も十分効果が期待できます。天井〜床のつっかい棒のような結果が得られると思います。但し2×4材等の曲げ強度に依存するので、部屋が狭くなりますが、なるべく奥行きのあるつっかい棒が良いですね。

 ちなみに、詳しい図面のUPが遅れていますが、弊社10畳のデモルームの柱の奥行きは可変寸法構造で、4寸x4寸(120mm□)、4寸x8寸(120mmx240mm)、4寸x12寸(120x360mm)の柱が設置出来ます。

 過去の経験から120□ではたわみ強度不足です。

 柱の太さを変更することで、左記ページの「音が良い部屋悪い部屋を4つに分類」の詳細データが得られると期待しています(詳細は画像クリック)。

 最小コストで最も音が良い部屋の雛形がまもなく誕生します。