”D.Cube2”2台をステレオ形式に配置したときの音場


D.Cube2のステレオ配置の効果の確認が
第3回目、Studio K's試聴会の新しいテーマでした、

●100dB/octで高域を遮断した、40Hz以下のサブウーファの領域でも、
ステレオ配置の方が音場感が豊かになる。


との事実が、ご出席いただいた皆さんの感想からも感じられました。

お客様が解散されたあと、ステレオ配置の効果の確認を
続行しました、
D.Cube2を2台配置することによる超低音域の位相の乱れが、
コンサートホールの会場で感じる緊張感を醸し出すようだ、
と改めて認識いたしました。

左右の耳の間隔を170mmと仮定すると、自由空間の自然音で
500Hz以下の逆位相の音を体験することができない、
http://www.salogic.com/home.files/solution/ear.htm
http://www.salogic.com/home.files/solution/solution.htm

との理由で、低音域を再生するサブウーファは、3Dまたは
一つのキャビネットに左右のサブウーファを取り付けたDuoBasso
の構造が最も正しいと思っていたのですが、
聴覚の感度と分解能が極めて低い
超低音の領域では、
同位相であることが唯一の正しい答えではなさそうです。

但し、
バイポーラ形式のサブウーファ”DuoBasso”1台が再現する音場と、
”D.Cube2”2台のステレオ配置が再現する音場は、かなり似通っています。
この点にも注目する必要があります。

一方
”D.Cube2”1台を3Dの形式で配置したときの音場は、
DuoBassoのものとは明らかに別の世界です。

コンサートホールの、はりつめた緊張感を再現する方法として、
超低音の位相を巧妙に乱してやることも
選択技の一つのように思います。

ヨーロッパの教会の巨大な礼拝堂では超低音の残響時間が
優に10秒を超えています。そこで感じる超低音の幾重のからみあい
と位相干渉が、そこはかとなく神秘的な宗教的音空間を醸しだしています。
しかも中高音の解像度はそこそこ良いのです。



毎年5月に開催されるNHK技術研究所の技術展示会を訪れると、
ハイビジョンを遥かに超える超高解像度の記録映像を観ることができます。
”人間の目が直接捉える生の映像の分解能を超えてしまっている”
と感じたりするのですが、

そこに映し出される映像の佇まいに、再生オーディオのレベルを
合わせるとしたら、

音の佇まいの再現性に大きくかかわる超低音の再生技術に
オーディオ系の技術者は再挑戦する必要があります。


と言っても、殆ど聞こえない領域での聴覚を解明する作業ですから、
聴覚が心地良いと感じる音空間を作り出すDSPの制御系を
確立するのが先決で、まだまだ前途多難です。