図2の位置にリスナーが移動すれば、測定データ上では解決だが、F特を見て期待するほどの改善効果はない。どちらも125Hzが上昇しているからであろう。(図1、図2の測定結果はLVパネルありのデータ、LVパネルには125Hzの吸音効果があるので、部屋自身の特性はミッドバスが更に上昇しているはず)
十分押さえられているので無視して。
部屋のコーナーにスピーカーがあり、硬い壁に囲まれているので下図のように低域に向かって伝送特性が上昇する可能性が高い(詳細は別項参照)。スピーカー周りをしっかり作ることは再生音のクォリティーを上げるうえで必須条件だが、同時に高音域の反射音を増やす工夫も忘れてはいけない。高音域の反射音が増えると音楽の躍動感が向上し、同時にサウンドステージの再現にもなる。

ミッドバスの帯域は多くの楽器の音が重なり合うエリアで、特に150Hzを中心とする音域は、僅かな膨らみ(凸)で楽器の躍動感が減少し、少しへこむ(凹)だけで音楽が薄っぺらになる。オーディオルームの出来を左右する重要な帯域。
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初期反射音

正面を向いているスピーカーが2本、背中向き4本、横向き2本の合成音だから、無指向性と考えられる低音域は最大で12db上昇。ただし距離の差による位相干渉があるので、6dB程度の上昇と考えるのが妥当。中音域は半分の2〜4dB上昇、高音域は1〜2dBの上昇。
スピーカーメーカーのスペックシートの無響室特性に比べれば、低音域過多の音質になる。 |