思い切ってセンターのラックを1個撤去し、スピーカー周辺に空間が出来るようにしてみました。

 撤去したラックの置き場で悩んではおりますが、これだけで音がとても自然になり若干ですが奥行も感も出て、元には戻せなくなりました。
 変更前には全く感じなかったのですが、センターにラックを詰め込むことによって低音が悪さをして音全体が濁っていたように思います。

ラック移動だけでこれほど違うのですから、パネルの到着が非常に楽しみです。

 ただ、低域が自然な感じで抜けるような感じになり、中高域の濁りがとれてクリアになったためか、従来よりは低域が薄く感じられます。
 耳が慣れていないために従来の音と比較するとそう感じるだけなのかもしれませんが、私としてはもう少し低域に量感が欲しいと思っております。

デモパネルでルームチューン  StainVeil(ステンベール)パネル設置  D.Cube2TX設置  壁床天井の補強

■センターの空間は僅かな反射物があるだけで音場感が大きく変化するエリアです、数本の棒を正面壁面に取り付けることでも空間の広がり方をコントロールすることができるほど敏感です。

 そのエリアがラックと機器で埋まっていると音場の微調整ができません、ラック移動の決断は今後の調整に多くの可能性をもたらしたと言えます。

 ラックを1個にするとラックとスピーカーの間が殺風景なので観葉植物の小鉢を置いてみましたが、それだけで定位がおかしくなりました。もしサブウーハを入れるならスピーカーとラックの間に置けば良いと安直に思っておりましたが、どうも無理があるようです。狭い部屋でのオーディオというのは難しい面が多い事を実感しております。

 ラックを詰め込んでいたときは奥行きが出ないなどの問題が多々あったにせよ無理矢理押さえ込んで調整していたため、素焼きの小鉢1個でこれほど大きい影響は出ませんでしたが、スピーカー周りを空けると僅かの事で激変しますので、その意味では可能性も高い反面、やり方を間違うと収拾がつかなくなるように思っております。

 別件ですが、フラッターエコーがあります。手を叩くと、鳴き竜のようなビーンといった長い残響ではなく、残響というよりはむしろ付帯音に近い感じで響きます。音が聞こえているのは手を打ってからコンマ数秒位と思いますが、感覚的にはパンという手を叩いた直接音と、反射音が輪郭が滲んだヴィンというような音として直接音の直後に付いて聞こえるような感じです。

 フラッターが一番多いのは物が密集している左スピーカー手前位の位置ですが、パネルの導入で反射音が多くなるとエコーが多くなって手に負えなくなるのではないかと危惧しています。フラッターエコーは完全に退治してないとパネル導入時には修正できないような不具合が発生するのでしょうか?

■フラッターは可能な限り少なくするのが原則ですが、スピーカー背後の拡散パネルが作り出す短いディレーの反射音は、直接音と合体してスピーカーの音を大きく感じさせる役目を担います、従って相対的にフラッターエコーが減ったことになり、楽器の解像度が上がります。つまり不具合はむしろ減ります。


 部屋は4.5メートル×3.6メートル、天井高は高いところで2.55メートル、周辺の下がっているところで2.4メートルです。現在のスピーカー中心間の間隔は2.1メートルです。この部屋が全く空の状態でははっきりとエコー的なフラッターが多く発生していましたが、家具や絨毯などで上記程度まで減少しています。フラッターを除けばあまり響かないデッド気味の部屋だと思います。


平成16年9月20〜21日
デモパネルでルームチューンを実施

 1200mmのセンターパネルと1200mmスピーカーパネルを置くだけでステージの奥行きが再現され、チューニングの当初は十分に満足できる音になったと感じるのだが ・・・  聴き込むうちに欲が出てくる。

 天井の高さが欲しくなりスピーカーパネルが徐々に高くなり、低音に包まれる安定感が欲しくなって左右手前に1200+600のパネルが追加された。



平成16年9月20日
チューニング・デモ実施直前の確認事項

・セッティングが不十分である事と部屋自体にも問題がある事は分かるが、自分では問題点を特定できず解決方法が分からない。
また、装置の基本的な能力や経年劣化による性能低下に問題があるのかについても判断ができない。問題点の特定と解決方法が分からない中で、手探り状態で闇雲にケーブルやアクセサリー、設置などを変更するのはきりが無い。今回のパネル導入で目処を付けて装置や設置を弄るのは終りにしたい。

■ケーブルやアクセサリーによる音質の改善は
主に周波数特性の微妙な変化を追及するもので、改善の度合いもルームチューンに比べれば微妙な味付けの範囲を超えることはできません。一方ルームチューンによる改善は、間接音の周波数特性と時間特性を大きく変化させて音場を作り出すもので、CDに刻まれた楽器の音を直接弄るわけではないので、大胆な音作りが実行できます。
ミッドバスの残響エネルギーを減らすと低音のヌケが改善されます。
高音域の残響エネルギーを増やすと、
音楽の躍動感がアップします。
直接音から僅かに遅れた一次反射音を増やすと楽器の輪郭に自然な佇まいが蘇ります。
更に遅れた一次反射音を増やすとステージの中の奥行き方向の距離が確定し、楽器の佇まいが明瞭になります。必ずご希望の方向に向かうと思います。


装置の限界が分からないため、装置を使い切っているのかどうかの判断が出来ない。弄っては変化した事を良くなったと勘違いしているような気もするが、まだ装置の限界を引き出せていない可能性もあるのかもしれない。
アンプの不調かもしれないが、左右スピーカーの音圧が異なるように思う。

■センターボーカルの存在感が左右どちらかに偏るような現象だと思います。もちろんプリやパワーのゲイン誤差も可能性の一つですが、部屋による初期反射音の左右アンバランスが大方の原因です。拡散パネルの適正配置で簡単に解消します。


自分の部屋の特性や限界についても良くわかっていない。
フラッターがかなりあり、ピアノの高音鍵を強く叩いた音などは付帯音がうるさい。
床が弱くドンドンと響いており、壁も薄いので鳴いている。
南窓や背面の戸を開けると聴いていて楽であるが、閉めると悪いと言うより開けたくなる。フラッターのせいかもしれない。
開口部のガラス面積、カーテン面積が多いので調整が難しい。


■「壁鳴りが無い」、「フラッターが無い」、の二つの条件が整っていれば、ルームチューンはいたって簡単です。拡散パネルなどをスピーカーの背後から側面に置いて、フロント(SP側)からリアに向かう初期反射音を増やすだけで大きな効果が得られます。

 しかし「壁鳴りが多い」、「フラッターが多い」 となると、壁鳴りとフラッターを止めながら、初期反射音を増やさねばならず、LVパネルやStainVeil パネルのような複合機能の拡散パネルが必要になります。

スノコなら高音域が失われない
 オーディオ用として市販されている調音パネルは殆んど吸音体です。RC打ちっぱなしの部屋であれば高音域も多少吸音する必要がありますが、木造の部屋では吸音は不要です。ホームセンターで手に入るスノコの方が反射音の周波数特性が平坦で、遥かに有益なチューニングパネルになります。

 左右壁面に立て掛けてあるスノコは、反射面の巾が均一であることに目を瞑れば、フラッターエコーの対策品になります。写真のように斜めに立て掛けると音像がズリ上がるので、垂直に立てて斜めに(傾き3°)し、左右対称に壁面に固定してください。フラッターが減少します。質量のあるスノコを選べば(補強も有効)、ステージの奥行きを深める効果と、音楽に躍動感も与える効果も期待できます。

 振動のダンプがないので片側2枚程度としてフラッターの強い部分を狙って配置してください。
Gallery-waveパネル
 オーディオグッズで唯一の高音域を吸音しないパネル。左右の壁面に固定するか、専用のキャスターに乗せて壁際に並べてルームチューンに使います。フラッターの消去と壁振動の防止が同時に達成されます。スノコには期待できなかった低音域の改善効果が加わります。
● 表材 : 15mmのバーチ合板
● 裏材 : 9mmの松合板
● 内部 : フェルト充填
● サイズ : 485mm(W) × 1200〜2400mm(H)

セッティングについても、壁からの距離や角度など現在のスピーカーのセッティングに問題がないのか自分ではよく分からない。
設置が悪いのか、同軸SPのためか、サービスエリアが狭い。

■サービスエリアは単にスピーカーユニットの指向特性の問題です、トールボーイやバッフルが曲面になったドーム型のシステムなら、左右のスピーカー軸をリスニングポイントより前でクロスさせれば耳の移動による直接音の周波数特性のアンバランスが小さくなりサービスエリアが拡大します。しかしタンノイのような大きくて平らなバッフル面をもつホーン型のスピーカーシステムには適用しにくいようです。

■360度指向性のスピーカーなら部屋中の何処にいても、左右のスピーカーから正面軸上の周波数特性の音が届きます。つまりサービスエリアは部屋全体です。タンノイの背後に中高音域の拡散パネルを置くと、タンノイの音が360度指向性に一歩近付きます。

・落ち着いて聞けるかどうか、違和感がないかどうかというような好き嫌いや感覚的なものでしか判断できず、f特や装置の技術的な面についてはよく分からない。
音が変われば良くなった、あるいは好みになったとは思うが、かなり長く聴かないと良くなった点ばかりに耳が行って、悪化した部分については直ぐには気が付かない。自分の理想の音や判断基準を持っていないのでどのレベルならOKなのか、時間が経過しても不満が出ないかどうかもわからないと思う。現状の装置と環境の限界を知り、水準を知らない事から来る堂々巡りを解消したい。

・何かが違うような違和感がある。
コンサートでのホール感や空気、雰囲気みたいなものだとも思うが、記録音楽では仕方がないのかとあきらめている。奥行きというか、演奏しているオケ全体の音の固まりという感じがなく平板である。ホルンなどは遠くから聞こえるが、そういう事ではなく、ステージ上の渾然一体となった音のかたまりがホールに響いて全体の音響となるという感じがしない。

■長年の夢であった1000万円のスピーカーを購入し、それに見合った1000万円のアンプを導入したとしても、50万円のスピーカーと50万円のアンプでステージの奥行きが再現されなかった部屋のままでは、ステージの立体感が劇的に改善される可能性はありません。なぜなら、サウンドステージの立体感は、CDに含まれるホールやスタジオの間接音を、楽器から引き離して相応しい位置に定位させたときに聞こえるようになる実音と間接音の時間差が再現するものだからです。従ってアンプの位相特性とS/Nが正常値であれば、100%ルームアコースティックに依存します。

■例えはスピーカーを壁面から2〜3m離してフリースタンディングの配置にすると、楽曲に含まれているエコーなどの弱音成分が背後の壁面から聞こえるようになります(楽器の音など強音成分の反射音は楽器の実音に一体化されてしまう)、そして実音とホールエコーの時間差がステージに奥行きを与え、演奏家の気迫が伝わる佇まいを再現します。

■スピーカーを壁面の近くに置く通常の配置でも、スピーカーを囲むように拡散反射面を作るとフリースタンディングと類似の効果を作り出すことができます。狭い部屋でフリースタンディングの醍醐味を構築する方法ですが、反射率の高い壁面を効率良く配置することで、スピーカーを壁付け配置にできる点が大きなメリットです。

■拡散反射面では、拡散により楽器の実音のフォーカスは発生しません、しかしもともと定位のない残響音のような音圧だけの存在は、反射面があればどこにでも定位が生まれ、実音と残響音の時間差が聴き取れるようになってサウンドステージを再現します。

■音源に含まれる間接音をクローン技術のES細胞のようなあらゆる臓器に分化できる存在と見なすと理解しやすいでしょう。分化に必要な「周波数特性/適切な配置/適切な量」を与えれば、ステージの奥行きを作る間接音に分化したり、ホールの上空の響きに分化したり、地を這う低音の余韻に分化したりと、あらゆる方向の立体感を作り出してくれます。ユーザーはLVパネルなどの拡散体の置き方とサウンドステージの関係を概略理解すれば、カット&トライで希望の音場を追求することができます。

■ルームチューンのデモでは沢山のパネルを使います、フロントのみならず良い結果が得られると思われればサイドやリアなどにもLVパネルを置いて拡散パネルと音場の関係を聞いていただきます。最後にコストパフォーマンスを考えて、必要最小限のパネル数に戻して完了としたいところですが、フラッターエコーや壁振動があると必要最小限でもかなりの枚数になってしまうことが多く、一部をタペストリーとスダレを組み合わせてLVパネルの代用にするなどの策を練ってパネルの数をさらに削って終了となります。

・生の音には音自体に引き込まれる魅力があるが、現状の音は薄いというかよそよそしい、実体感が希薄なような、いわゆる装置の音なので、少しでもホールの雰囲気が出れば嬉しい。
 特定のCDやジャンルでそのようになった事もあったが、それ以外でのバランスが悪すぎて結局は変更した。(特定の部分を強調しただけだったと思う)

・この音でないと満足できないということではなく、耳に付く妙な音がしない、違和感がないといった程度で満足できるので、(CD臭さは気になった)、音が気にならずに自然と音楽に集中でき、いつまでも聴いていたいような、ホームオーディオとして過不足無い鳴り方になればと思っている。

■殆ど聞えない帯域の10Hz付近の揺らぎのような超低音が再現され、球面波の性質を持った再生音が出るようになれば、疲れを知らずに何時間でも聴いていられるオーディオルームになります。


・装置や設置を弄った時に、それまでつまらないと思っていた演奏を再発見することがある。装置などによって音楽のジャンルや演奏の好みが左右されてしまうという事をできるだけ無くしたいが、どのようにすればそうなるのかが分からない。これは音が良いとか悪いとか、音の好き嫌いとは少し違う問題なのではないかとも思っている。

・現状の環境を大きく変えたくはない。
ホームオーディオとして住環境とのバランスがとれて、家具などの変更にもできるだけ影響を受けないのが望ましい。部屋の開口部が多いため、使用状況によって条件が変わりすぎるため、ベストの設定で固定するのは難しいように思う。カーテンが大きいが、夜と昼では使用条件が異なり、夏と冬で絨毯などの敷物などの調度も変わるが、これに対する対応はどうすれば良いのか? 部屋の条件がある程度変化してもそこそこ鳴るという設置はあるのか? また、背後の戸が可動であるが、どう考えれば良いか?

・適正音量とは?(チューニング後も)
部屋の条件によって異なると思うが、オーディオの音量適正と部屋、装置の関係は? それぞれの音楽ジャンルの適正音量とは? 音量によって音の質に及ぼす影響、変化とは?

・メインボリュームとサブウーハはどの程度の音量で設定を行うのが良いのか?
パネルの設置はどの程度の音量で行うのが望ましいのか?

・線材や装置など、どこを弄っても音は変わるが、その都度、パネルやサブウーハの調整を行う必要があるのか?
将来自分で部屋の配置を変更したり家具を入れたり撤去した場合に、自分で調整できるか?

・音響を改善した後に装置側の能力不足が起こる可能性はあるのか。装置と環境の釣り合いと言うことがあるのか?
基本的には、機械は修理不能になるまで使う方針であるけれど、将来、装置を良い物に買い換えた場合に、部屋とのバランスを欠いてしまうような事があるのか?

・CDによって低音量などの音の傾向や録音の質が違うが、SWを入れるとその違和感が助長されるのでは?

・床が鳴っているが、現在の部屋にサブウーハをいれて大丈夫なのか。
現在の環境でサブウーハを2個入れる必要があるのか?また、入れても大丈夫か?

・サブウーハを導入することを前提とするならばLVパネルよりもStainVeilにしておいた方が良いのか?
あるいはサブウーハの周りだけStainVeilでよいのか?

・何故シアター用だとサブウーハのパワーが多く必要なのか?

・振動をパネルに出来るだけ伝える必要があると思うので、スピーカーパネルについては足を付けない方がよいのでは?

・地面が揺れるような低音というのはPA以外ではあまり無いと思うが、オーディオではその様な音を好む人も多いように思う。これについては?

■地面が揺れるような低音は超低音の空気のゆれが続いたときに感じるもので、超低音の領域の残響時間が長いときに感じられるものです。オーディオルームの壁や天井を十分強固にし、超低音の残響時間を上昇させてD.Cube2を導入していただければ体感していただけると思います。
本当に地面が揺れる必要はありません。

・現代の高級オーディオの音はどうも浮遊間や立体感はあるが、実体感がないような気がするが、装置や環境が良くなれば自ずとそういう方向になるのか?

 なんとなく高級装置の音は似たように聞こえるが、自分は何か落ち着かないような気がする。高級装置と普通の装置の能力差は、実際にはどの程度なのか?

Lch

SP軸上300mm

Rch

SP軸上300mm
Lch リスニングポジション
Rch

リスニングポジション
Lch

リスニングポジションの1m前
Rch 

リスニングポジションの1m前

チューニング・デモ終了の翌日
平成16年9月22日

 この度は、2日間にわたり延べ16時間を超える長時間にわたってお付き合いをいただき本当にありがとうございました。
 オーディオというより音響と音楽についてこれだけ突っ込んで真剣に話を聞いたのは私には初めての経験で、非常に有意義な時間を過ごさせていただき重ねて御礼申し上げます。
情報はネットなどに玉石混淆でいくらでもありますが、自分の環境について逐一確認しながら、理論と実地を交えながらオーディオに対する普遍的な考え方を教えていただいたことは本当に嬉しく思っております。
 また、手法は大間違いであったものの、自分の基本的な考え方はそれほど的をはずれてはいなかったようで、その点は安堵いたしましたし、明確な判断基準を持たずに自分の環境を基準に少しでも良くなればという堂々巡りから解放されたことが最大の収穫でした。
話が尽きずあっという間に時間が過ぎまして、お疲れの所をついつい引き留めることとなってしまいましたが、これに懲りずに是非、ご再訪下さい。

 パネルの最終確認です。
 衝立で使用する物は全てStainVeilで、スピーカーパネルが180センチ(左右で計4枚)、120センチ(左右で計2枚)、60センチ(計2枚)、センターパネルが120センチ(計2組で計4枚)、色はテスト設置の右下の色(色名が分かりません)と思いますのでご確認下さい。

 問題は床に敷いた小さい低音用パネルですが、持ち運びが楽なので実地で使用した小さいものにするか、60センチのものにして将来は連結して使用できる可能性を残した方が良いか迷っております。大きい方が床に置いたときも効果は高いと思っておりますがいかがでしょうか。また、この床置きは大きさを60センチにするならば、重量を減らして移動が楽なようにLVでも良いかとも思っておりますがどうでしょうか。装置も大幅に減らしましたし、電源トランスの有無などの細かな点、フラッター対策や、センターパネルの使い方によっては、衝立パネルだけ先に設置して、その後の音の具合を見ながら追加した方が良いような気もしております。


■スピーカーの手前の床に置く300mm〜600mmのパネルは、低音楽器の浮き上がりを防ぐもので、地に足の着いた安定感を音楽に与えるためのものです。キャビネットからの距離で効果の増減ができるのでサイズはシビアではありません。居間に置くのですから300mmがお勧めです。また床面から反射される音に低音楽器の倍音、つまり中高音域の反射音を増やすためのものですから、LVでOKです。キックドラム、ベースなどの音ヌケが良くなり、きちっとフロント側に定位するようになります。


 また、定在波の出来やすい部屋の四分の一の節のところを避けてスピーカーを設置しておりますが、180センチのスピーカーパネルを立てた場合、部屋の二分の一の節がリスニングポイントになることを避ければ定在波についてはスピーカーが通常の節の所に来ても問題がないと考えても良いのでしょうか?あるいはリスニングポイントの二分の一の節目もそれほど考慮しなくてもよいのでしょうか?

■サブウーファの設置場所の探し方として、とりあえず無造作に鳴らして(D.Cube2ではLFE入力で鳴らす)低音が良く聞えるエリアを探し出す。そしてその場所に移動する。すると超低音が部屋中に行き渡る確立が高い。という経験則があります。この法則に従えば低音が不足している部屋にスピーカーを設置する場合には、1/2, 1/3, 1/4 などの定在波の節を避ける、逆に低音がダブついている部屋では節に置く、とのテクニックが成り立つかも知れませんが、効果のほどは未確認です。

■リスニングポイントは低音域にディップができる節のエリアを避けるのが鉄則ですが、二つの節が重ならないようにすれば大きな障害にはならないようです。一般に左右方向はセンターになってしまうので(左寄りの本件はむしろ例外)、前後のみ 1/2, 1/3, の位置を避けるようにしてください。

余談ですが、切妻型の天井、台形型の天井は上下方向の定在波の 1/2 の節が床一面にできるようです。前後・左右の節に上下の節が常に重なるため、広範囲に低音が無いエリアが作られます。低音のエネルギー感が希薄になると、音楽に没頭できなくなるので、新築であれば避けるべき形状です。

傾斜を左右非対称にすれば定在波は解消するものと思いますが、ルームチューンに相応の手間とコストがかかります。


 問題がないとすればスピーカーを少し右寄せにできますので、120センチと60センチのパネルは連結して貰った方が倒れにくく使い易いかとも考えております。
 問題があるのなら左側はCDラックの関係で常設不可ですのでバラの方がハンドリングが楽かとおもいます。(右側は背面が空白ですので連結の方が良いと思います。)

 余談ですが、180センチのスピーカーパネルの件を家内に話しましたところ、私があまりに嬉々として居る様子を見かねてか、苦笑いをしながら「好きなようにすれば」と申しましたので、私の粘り勝ちというところでしょうか。

 片づけも終わり、先ほどやっと元の環境に戻しました。
 この状態だといろいろなイコライジンググッズが有った方がやはり良いですが、いまさら元に戻す気もせず、面倒なのでCDとパワーの直結だけで聴いています。
 パネル設置の音を聞いてしまうと、聴く前は相当の変化と思っていこの差がいかにも些細な事のように思えます。パネルが到着するまで、スピーカーユニットのメンテナンスやイコライジンググッズの処分でもやろうかと思っています。

 最初に読んでいただいた質問事項の原稿を添付致しております。
書き終わったのが昨日の午前中ですからまだ2日と経っていないのに、改めて読み返すと稚拙な内容で気恥ずかしいですが、デモの前後を思い返しますと感慨深いものがあります。

 聴かせていただいたサブウーハの心臓の鼓動を聴くようなあの低音が忘れられません。

 私にとってはあの低音は音の善し悪しを超えた生理的な欲求のように感じます。今回はStainVeilにしたり枚数が増えたりと完全に予算オーバーになってしまいとてもサブウーハまで手がまわりませんが、いずれはと思っております。



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