半端なスペースしかなかった東京でリスニングルームを作る気にならなかった理由の一つだし、広大な土地が広がる真田に引っ越した理由でもある。東京では4軒隣の知人のオーディオルームがホームグラウンドだった。ジコマン開陳にも紹介されている。 さてデモルームであるが、二度に分けて、小二つ、大一つの計三棟を建築する。最初に10畳を二つ作るが、土台作りに時間がかかるものの、キット化が100%達成されていないため若干時間がかかるが、2棟の棟上げは1日で完成するはずである。 下記が基本平面図。 建築図面を見慣れていれば既にお気づきと思うが、土台の材が2本平行に走り、柱の位置が柱一本分外側に拡がっている。四隅は柱3本をL字型に束ねて立てる。 床・壁・天井に音響パネルを嵌め込むと部屋が完成するが、パネルサイズを910mmまたはその倍数に統一してしまおうという魂胆である。 部屋の模様替え(音響特性替え)はパネル交換で実施する、その交換を単純化して沢山の測定データを短時間で手に入れるための工夫でもある。
柱強度は高ければ高いほど音にはプラスと分かっているけれど、コストパフォーマンスのベストを探し出すには柱強度を可変にしなければならない。4寸(120mm□)の柱を外側からボルト締めすれば4寸x8寸の柱になり、更に内側に追加すれば4寸x12寸(120x360mm)の柱にもなる。
躯体は在来工法(下記がイメージ図)。床、壁、天井に音響パネルを嵌め込むとオーディオルームが完成する。
それらの結果を集約してローコスト且つ最高の音質を誇るオーディオルームキットを商品化するのが本年の目標であり、柱強度と壁強度のバランスの最適値を Small Demo Room(10畳)で確定して壁材を標準パネル化し Large Demo Room を今年中に作りたいと思っている。 標準化したパネルは既存のリスニングルームのリフォーム材としても使用する。 |
連日のゲリラ豪雨で墨打ちが思うにまかせず、15cm幅の重量ブロック184個による基礎作りも2週間を要して棟上げが予定より5週間遅れとなってしまった。背中が痛い、腰も痛いとへろへろになった難工事であったが、2棟の棟上げはプロ(大工さん5人)の手によりあっという間の8時間で完成。 建築現場に足を運んで組み立て手順を学習すれば、オーナー自ら組み立てることも可能だと思う。高さ300mmの天井梁を上げるときは人手が必要。 図面と部材を見比べて記号を合わせて配置し、ジョイントホールにライフルの弾丸のようなピンを打ち込めば動かなくなる。プレカットの精度が高いので下げ振りによる鉛直の確認も不要で寸分の狂いもない立方体が自ずと出来上がる。 土台もプロに頼めば良かったかも・・、とは思うものの、水平誤差0.3mmの基礎を作ってくれるプロはいないだろう。キットによりリスニングルームを作るときの難題である。 連日の巨大な雷を伴うゲリラ豪雨 / 土間コンクリにハンマードリルで穴を開ける 差し筋アンカーは打ち込むだけ / 土台固定ボルトはプラグアンカーにねじ込む ブロックトップから10mm上に赤色レーザーを水平照射 / モルタルを足して高さ調整 コーナーのブロックにダイヤモンドカッターで切り欠きを作り、鉄筋をぐるりと回してモルタルを詰め込むと基礎が出来上がる。 基礎パッキンを使わずに基礎の上に土台の材を直に置いた。アンカーボルトとナットで締め付け、土台と基礎を一体にして床の剛性を高めるためである。基礎パッキンの厚みを増減する起伏調整ができないため、水平誤差0.3mmの基礎が必要であった。 土台も含め材は凡て集成材である、しかしそれでも若干の収縮は否めない、接合部の金具には板バネ構造のテンションが常にかかっており、低音でゆすられた接合金具が経年変化をじわりと吸収する。 壁面の柱組は変更の予定。完成キットでは床や天井と同じ910mmの升目状になるが、天井高は任意とするので最上部の壁材の標準化が検討課題。 |