無償ルームチューニング 82

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 オーディオシステムおよび部屋の概況

 1.部屋の状況
  部屋のサイズ、オーディオ機器の配置については、添付図面を参照下さい。
  部屋は木造モルタルのアパートです。
  部屋の壁ですが、手のひらで叩いた時の響きは濁った音で「ダンダン」といった感じです。

 2.現有システム
  ●スピーカー
   Infinity ルネッサンス90
  ●プリアンプ
   Accuphase C-290
  ●パワーアンプ
   Accuphase P-5000 × 2 バイアンプ構成で使用
  ●プリメインアンプ
   Luxman L-580
  ●CDプレーヤー
   Esoteric X-1s
   Accuphase DP-65
  ●DVDプレーヤー
   Pioneer DV-S9
  ●MDプレーヤー
   Sony JA50ES
  ●パワーディストリビューター
   TEAC AV-P255P


 アパートなのでそんなことは不可能ですが、ご自宅であれば壁を剥がして柱や胴縁を補強し、壁面を再構築することをお勧めするケースです。壁を作り直したときに得られるであろうクォリティーを調音パネルのみのチューニングで追求すると、部屋の改造の方がむしろローコストなのでは・・、と思えてしまいます。

 最初の曲がかかった瞬間に壁鳴りの大きさが一聴瞭然です。気を取り直してデモパネルによるチューニングを実施すると、予想に違わずパネルだらけになりました。持参したパネル全部を8畳間に注ぎ込んでルームチューン完成です。



 いくらなんでもこれでは住まいの機能が台無し、通路の邪魔をする右側のパネルから外して我慢の限界を調べたところ、下記の写真になりました。フロントを覆っていたカーテンはパネルの後ろに束ねてあります。

 フロント壁面にカーテンがあると、ボーカルの艶めかしさが大きく後退してしまいます。インストゥルメンタルの音も冴えなくなって躍動感の乏しい退屈な音場になります。

 写真のようにフロントが拡散パネルで囲まれてしまえば、フラッターエコーが大幅減少します。オーディオ発祥の大昔からオーディオルームにはカーテン。とオーディオ雑誌に書かれていますが、大きな理由の一つがフラッターエコー対策です。しかしフロントにカーテンは絶対にまずい、聴くに耐えない無表情な音楽が作り出されます。

 さてルームチューンですが、壁鳴りが大きいのでSPパネルは1800mmサイズ6枚構成(片側3枚)になりました。振動する壁にパネルで蓋をかぶせてパネルの裏面がミッドバスを吸音する一石二鳥の構成です。リスニングエリアのブーミー感、大幅減少です。

標準的な4枚構成も試したのですが、ブーミーの取り残しが出てしまいます。

 サイドパネルは壁振動による圧迫感をマスクする必要から1050mmになりました(標準は900)。床はGalleryBasso。



本日は、貴重な体験をありがとうございました。
# 久しぶりに、楽しく音楽を聴くことが出来ました

前々より、壁がなっているなと思いながら、どうすべきか悩んでおりましたが
(半ば諦めていましたが)、本日のデモにて一つの解決策が見つかったように
思いました。

なによりも、びっくりしたのは「Gallery-basso」の有る無しでの
低音域の大きな違いでした。
# 聴いてしまうと、Gallery-basso無しは一寸耐えられないですね


 
後日ご採用頂いたパネル構成

 <6月>
 ●SV1800sp x 2
 ●SV1800 x 2     (1800spと連結してフロント6枚構成)
 ●SV600ct x 1

 <7月>
 ●SV1050サイドパネル x 2

 <10月>
 ●SV600 x 2     (バッソの代用)

 <11月>
 ●SV1200ct x 1   (ラックを退けてセンターに設置されたのでしょう。フロントを自由空間にするとサウンドステージの奥行きが一気に深くなります)

 <翌年2月>
 ●バッソ x 2

 4回に分けて納品となりましたが、最初にフロントのパネル。次にサイドパネル。その次にSV600でバッソの代用。次いでSV1200ct。最後にバッソのご注文を頂きました。

 初期の位置から外され、余ったSV600_4枚は、リスナー周辺に配置されて、低音の増強に使われたものと思います。

 この設置順序は最近HPにアップした「手短かルームチューンガイド」の手順そのものです。5年前に実施した、私自身が手探り状態であった3時間程度のデモで、最も効果的な設置順序を見抜いてしまったTさんの勘の良さと耳の良さに改めて拍手です。