日々変化しながら少しずつ改善され、いつとはなしに組みあがったLVパネルによるサウンドステージ。この形を見るだけで音のステージが聞こえてくるようである。推奨セッティングとは随分違うように見えるかもしれないが、ポイントは押さえられている。
SPの後ろから左右側面に-spパネル(高さ不足はリスナー後上方の拡散スカラホールが補っている)、センターに奥行き方向3段重ねの-ctパネル、床にGallery-basso、サウンドステージに深みを加える左右壁面のLV600-ctパネル。

ルームチューンがスタートして間もなく3年になります。測定の必要性を感じなかったからですが今頃になって測定を行いました。15Hz〜20kHzまでほとんどフラットで定在波の影響も軽微です、やはり傾斜天井は有利ですね。常々感じることですが、聴覚がOKを出した部屋はそこそこ良い特性に仕上がっているものです。


GEQなどを使って伝送特性をフラットにしても、非音楽的な音のする部屋は非音楽的な音のままでしかないのに、ルームチューンで音楽性が改善されると、伝送特性もそこそこ改善されています。何故GEQでは駄目なの?・・ と思われるかもしれませんが、GEQによる改善は時間(位相)の概念が欠けているからうまく機能しないのです。デジタルEQで伝送特性をフラットにし、デジタル・チャンデバてタイムアライメントを合わせたとしても、それだけでは楽器やボーカルのリアリティーは改善されません。ソースに含まれる残響音を実音から遊離させて背後の壁面や天井・床などに定位させる壁構造が必要不可欠です。そのことが実現されると楽器の実音とその楽器の残響音の時間差が明確になり、リアリティーたっぷりの佇まいが姿を現すのです。
オーディオルームの室体積は120立方メートルで、最適残響時間は0.6秒程度です。リスナー背後に仕切りの無い中二階がありますから、更に長くしても差し支えありません。聴感では残響時間が短すぎるとは感じませんが、測定してみると、かなり短いことがわかりました。
■残響音の周波数特性に音が良い理由が表れています。
@ : 低音の上昇ポイントの基点が80Hzである(100Hz以下ならOK、125Hz以上はNG)。
A : 125〜160Hzのブーミング帯域の残響時間が短い(中音域比で125〜250Hzが下がり気味ならOK)。
■要改善項目も表れています。
@ : 残響時間の平均値が短い(試聴室の最適残響時間以上にしたい)。
A : 高音域の残響時間が短い(8kHzまで上昇傾向を保ちたい)
B : 250Hzに壁振動と思われる輻射音がある、壁材や天井材の選択に誤りがあることを示している。
音楽の躍動感に溢れるオーディオルームに仕上がっていますが、更に改善ができる余地が残されていることを示す有意義なデータが得られました。
@Aはカーテンやカーペットの撤去で試聴室のレベルがクリアされます。Bは壁材や天井材の交換または張り増しが必要で、壁の張り増しであれば素人工事も可能です。天井は裏の軸組みの補強が必要ですから大掛かりな工事になります。
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周波数(Hz) |
16 |
20 |
25 |
31.5 |
40 |
50 |
63 |
80 |
100 |
125 |
160 |
残響時間(sec) |
1.2 |
1.2 |
0.7 |
1.1 |
0.9 |
0.66 |
0.41 |
0.29 |
0.29 |
0.22 |
0.19 |
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周波数(Hz) |
200 |
250 |
315 |
400 |
500 |
630 |
800 |
1k |
1.25k |
1.6k |
2k |
残響時間(sec) |
0.25 |
0.28 |
0.24 |
0.24 |
0.26 |
0.26 |
0.28 |
0.3 |
0.31 |
0.32 |
0.32 |
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周波数(Hz) |
2.5k |
3.15k |
4k |
5k |
6.3k |
8k |
10k |
12.5k |
16k |
20k |
- |
残響時間(sec) |
0.32 |
0.33 |
0.3 |
0.3 |
0.29 |
0.27 |
0.24 |
0.22 |
0.2 |
0.17 |
-
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16Hz : 1.2sec

20Hz : 1.2sec

25Hz : 0.7sec

31.5Hz : 1.1sec

40Hz : 0.9sec

50Hz : 0.66sec

63Hz : 0.6sec

80Hz : 0.41sec

100Hz : 0.29sec

125Hz : 0.22sec

160Hz : 0.19sec

200Hz : 0.25sec

250Hz : 0.28sec

315Hz : 0.24sec

400Hz : 0.24sec

500Hz : 0.26sec

630Hz : 0.26sec

800Hz : 0.28sec

1000Hz : 0.3sec

1250Hz : 0.31sec

1600Hz : 0.32sec

2000Hz : 0.32sec

2500Hz : 0.32sec

3150Hz : 0.33sec

4000Hz : 0.3sec

5000Hz : 0.3sec

6300Hz : 0.29sec

8000Hz : 0.27sec

10000Hz : 0.24sec

12500Hz : 0.22sec

16000Hz : 0.2sec

2000Hz : 0.17sec

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