D.CUBE2の自宅試聴キャンペーンに応募したいと思います

 
雑誌の記事とホームページを見て、御社のサブウーハーとルームチューンに大変興味を持ち、購入を検討しております。まず、D.CUBE2の自宅試聴キャンペーンに応募したいと思います。


 オーディオシステムの概要

 ・ CDP   ROTEL RCD991
 ・ PRE AMP   ROTEL RC1090
 ・ POWER AMP   ROTEL RB1090
 ・ SP   MONITORAUDIO STUDIO20
 部屋の概要
 ・ マンション
 ・ 7畳間洋室
 ・ 
床はフローリング
 ・ 天井高2m60cm
 ・ 
オーディオは縦長配置


 質問があります。

・ 
D.CUBE2にはEX,TX,Xと3種類あるようですが、何が違うのでしょうか?
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 キャビネットの材質で大きく二つのグループに分けることが出来ます、EX・TXは北欧の寒気のなかで堅く引き締まった年輪を重ねたフィンランド・バーチ(樺)の合板を基材に使い、桜(ウッド色)、またはタモ(黒色)のつき板で仕上げた仕様です。XMDFを基材に使い、同じつき板で仕上げた仕様です。

 EXTXの相違はスピーカーユニットで、EXはピュアオーディオ重視でロー・ディストーションが特徴のユニットを使用、TXはシアターにも兼用できるハイ・パワーが特徴のユニットを使用しています。詳細は下記の特徴の項をご参照ください。
http://www.salogic.com/home.files/dcube2ex-model/dcube2ex.htm
http://www.salogic.com/home.files/dcube2tx-model/dcube2tx.htm
 

・ 自宅試聴の際に、ルームチューンは体験できるのでしょうか?

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チューン材とD.Cubeの両方をご用意いたします。
 
 EX,TX,Xの違いは大体わかりました。導入したら、シアターでの使用は考えていません。ピュアオーディオ専用にするつもりでいます。私の部屋の写真を添付致します。

 
ルームチューンに伺いました

 昨日は、お忙しいところ遠くまで来て頂いてありがとうございました。今日、元の状態で改めて聴いてみましたが、やはり一度パネルでルームチューンした音を聴いてしまうと今の音は全然ダメです。聴く気がしません。

 一度聴いてしまうと戻れないですね〜。
 立体的な表現と余韻が違いますね。

 低音に関しては、後ろの壁と天井の振動が激しいためか、私の耳ではあまり差を感じませんでした。今日、音を出している時に改めて壁をさわってみましたが、かなり振動してました。

 さて、パネルの導入についてですが、今日、妻と協議した結果、とりあえずセンターのパネルとSP後ろのパネルを2連タイプ × 2で導入ということにさせて頂きたいと思っています。SPの後ろのパネルについては、LV1500相当を3枚づつ計6枚入れて3連タイプにするということで見積もりを頂きましたが、まず2連タイプを導入して追い込んでみたいと思います。いろいろ試してみて、やはりもっとパネルが必要だと判断したら、後から3連タイプにするべく追加発注したいと思います。

 そこで相談なのですが、SP後ろのパネルを2連タイプ相当×2)とする場合、LV1500×2とするか、LV1500&LV500plus+LV1000plusとするか、どちらが良いですかね〜。2連タイプにした場合に上部を平らにする必要があるかどうかなのですが。
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■ SPパネルはパネルからの反射音でSPの高音域の指向特性を改善するためのもので、センターパネルからの反射も加味すると、SPの外側から後方に回り込んでSPを包み込むかたちが標準配置です。2連の片方を 1500mm、もう一方を 1000mm にすると反射音が作り出す球面波の容が崩れてしまい、指向特性を改善してステージの奥行きを作り出す機能がうまく働きません。従ってコストがかさむデメリットだけしかない 500Plus+1000Plus の組み合わせはお勧めできません。

 最後に、色について質問があります。LVパネル、LV-oilパネルにはカラー塗装タイプはないのでしょうか?
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■ LVパネルの商品コンセプトは低価格・高性能です。100% 自社生産とするために塗装などの外注工程を省いています。木の地肌そのままの仕上げですから、お客様ご自身で塗装にチャレンジしてください。ラッカー系など、表面に塗幕ができる塗料では音質に悪影響が出るので、染み込むタイプのオイルステイン系をお勧めします。

下記ページにパネルの概要がございます。
http://www.salogic.com/home.files/shop/shop4.htm
パネルの設置方法などは、下記ページと ”Stereo誌” の1,3月号を参考にしてください。
http://www.salogic.com/home-select.files/home-s-sub.htm

 
 いろいろ考えましたが StainVeil に決めました。センターパネルは、あとでもう1枚追加できるように接続穴をあけたものでお願いします。以下のパネルを注文したいと思います。

 ・ StainVeil 600_Plus  センターパネル(蝶番付) × 1
 ・ StainVeil 1500_Plus  スピーカーパネル(蝶番付) × 2


 有難うございます、早速製作にかかります。もし差し支えがなければパネル設置後の写真を送ってください、HPでご紹介させていただきます。
 
 
StainVeil パネル納品

 本日、無事パネルが届きました。早速、デモで設置して頂いたときに伺った、設置のポイントを思い出しながら設置してみました。添付の写真のとおりです。一聴して、良くなったのがわかりました。まず、音の佇まいが感じられ、アコースティックなソースではホールトーンが加わったように感じます。定位もはっきりしましたし、ボーカルに潤いが加わりました。総じて、音楽性が格段に向上しました。デモの時よりも変化量が大きく感じられ、しばらく音楽を聴きながら感動してしまいました。これは確かに、機器やケーブルを買い換えるよりよっぽど効果がありますね。大満足です。
 


 ただ村田さんにも指摘されたとおり私の部屋はD.CUBE2の低音がマスクされてしまうほど、中低音がブーミーな傾向にあります。あるソースの特定の場所でいつも同じようにかぶりを感じるので、定在波と、壁振動が混じっているのかな?

低音カブリの原因

■ Stereo誌に連載中のルームクリニックでは、ルームチューンの要素を5つに分類して説明していますが、”低音のかぶり”は ”天井・壁・床の振動” と ”定在波” の二つで、大方のケースで振動が原因です。

■ 木造建築でベニア・コンパネ・プラスターボードで内装した部屋で、壁を叩いてバタつく音が出るようなら、かぶりの原因は100% の確立で天井・壁の振動です。バタつく壁はSPが送り出した低音による定在波を吸音するので、定在波の影響は小さくなると思って差し支えないようです。壁振動が多い部屋のチューニングでは、StainVeil や Gallery パネルが沢山必要になってしまいます。

 壁振動が多い部屋の場合、振動を止めようとコンパネなどを貼り重ねると、振動の減少に水を差すように定在波の滞留時間が長くなり、伝送特性のピーク、ディップが大きくなります。このケースのチューンは壁振動を残したまま、壁振動が再放射するミッドバスの振動音だけを阻止するインナールームを作る方法(音楽録音スタジオの低音処理に近い)で対処すると良いのですが、部屋が狭くなる(天井が低くなる)ので一般に新築を除き実施不可能です。その応用で、振動が強い既存の壁面部分の手前に振動制御が可能な新たな壁面を設けて低音を吸音し、新たな壁面の振動によるミッドバスの再放射をリスナーに到達させないために、更に内側にもう一つの壁面を作る方法で対処することができます。(Gallery のような2重構造のパネルが最も簡単)、部分置きをうまく活用すれば、部屋の空間の犠牲は最小限に押さえることができます。新築や大改装であれば Gallery-wave のような振動面と阻止面の二重構造を壁面に作り込んでしまえば良く、設計段階で計画することで通常の内装コストの範疇で奥行きと高さと解像度を兼ね備えたオーディオルームを作ることができるはずです。

■ 躯体がRC(鉄筋コンクリート)で、天井裏のような吸音処理のために使える空間が無い部屋では、部屋に滞留する低音の音エネルギーが大きくなりがちで、定在波と壁振動が対等に音楽観賞を阻害します。低音の音エネルギーが大きいので強度の無いものは総て振動すると思って振動防止を心がけてください。軟弱な壁があれば撤去してしまうか、十分な補強が必要です。
RC打ちっ放しの部屋の定在波

30Hz〜100Hzの帯域に1次と2次の定在波の影響が盛大に出ている。板振動で吸音する以外に手立てはないが、振動制御のない板振動を導入すると、その輻射音により125H前後に残響時間のピークが出来てブーミングが発生する。定在波は伝送特性に現われるが、輻射音は明確な容が見えない。

オーディオルームの成否はミッドバスの扱い次第

 Stereo誌 05年1月号,3月号でルームクリニックを終了した石田さんは、ルームアコースティックの更なるグレードアップを目標に、自作LVパネルの製作に勤しんでいます。その初期モデルの中に普通の板壁と同じような聴感特性を示すものがあり、そのパネルを追加すると再生音がブーミーになってしまいます。

 そこで LV1200-4枚相当の量の自作パネルをオーディオルームから出し入れして、残響時間の変化と伝送特性の変化を観測してみました。

 
 下記データの左のブロックが自作パネル無しの 80Hz〜160Hz の残響時間特性と伝送特性。右のブロックが自作パネル有りの残響時間特性と伝送特性。注目周波数は 100Hz と 125Hz です。

 制動不足の板振動からボンツキの帯域の輻射音が出る様子が観測されました。125Hz〜100Hzの残響時間が 30% 程度増加しています。板振動はその取り扱い方次第でもろ刃の剣に成り得るもので、使いこなしが成功すればブーミングの解消器となり、使いこなしに失敗すればブーミングの発生器になります。

 振動制御の無い板壁や天井板も同じような輻射音特性を示します。LVパネル4枚相当(畳1.3枚の面積)で 100〜125Hz の残響時間が 30%-UPですから、普通の居間の天井・壁の面積を考えれば、ミッドバス特性は推して知るべしです。

 石田さんのセカンドモデル以降は成功の模様です。石田さんのページにレポート掲載予定です(暫くお待ちください)。
自作パネル無し

低域に向かって残響時間が徐々に増加している
 
自作パネル設置
ブーミングの原因周波数である 100Hz、125Hzの残響時間が 30% 増加した。80Hzの残響時間より長くなっており、聴覚がブーミングと感じる条件を満たしている。
≒0.6sec --> ≒0.8sec
80Hz, 0.7sec
80Hz, 0.7sec
100Hz, 0.6sec
100Hz, 0.75sec
125Hz, 0.57sec
125Hz, 0.82sec
160Hz, 0.47sec
160Hz, 0.39sec
自作パネル無しの伝送特性

比較すべき伝送特性は50Hz以上の帯域。50Hz以下はSPの再生帯域外で、暗騒音または音圧の不足によるFFTの演算エラーを表示。
自作パネル有りの伝送特性

100Hzと125Hz にブーミングの原因となる残響時間の盛り上がりが観測されたが、伝送特性には殆ど変化が見られない。ブーミングの原因の多くは壁振動であり、伝送特性を頼りにGEQで補正してもブーミングは直らない

 振動対策が済めば木造建築の例に倣えば良く、振動制御が可能な新たな振動壁面(Gallery-wave の裏面のような)を設けて、新たな壁面の振動によるミッドバスの再放射を遮断する (Gallery-wave の表面のような)方法で対処することができます。80〜200Hz付近のミッドバスの低音エネルギーを十分に吸音した上で超低音のエネルギーを残すようにすると、超低音が壁面で勝手に吸音されてしまう木造のオーディオルームでは得られない重厚なサウンドを作ることができます。

 また、スピーカー周りの空間を増やそうと想い、向かって右側においてあった本棚を後ろのクローゼットの壁の前に移動したために壁の平行面が増えてしまい、フラッターエコーもかなり増えてしまいました。1日じっくりと聴きこんでいると、確かにレベルアップしているものの、まだまだな部分も感じるようになってくるものです。

 @やはり中低域でのブーミー感があります。
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■ 壁振動を止めなければ解決しないのですが、それだけでは100%の解決にはなりません。壁振動が吸音してくれている再生音のミッドバス以下の滞留音が野放しになってしまうので、その低音を別途吸音するものが必要になる、というジレンマに陥ります。録音スタジオのように振動する壁面(効率を上げるために多数の振動板に置き換える)を裏側に残したまま、新たな壁面(低音が通過する)を作れば良いのですが、床面積に限りがある既設のオーディオルームに適用するのは無理に決まっています。・・・ いろいろ試作と試聴を重ねた上の結論が、既設の壁面の振動も吸音体の一部として使ってしまい、2重壁と同じ効果を発揮する Gallery や StainVeil パネルで覆ってしまうのが一番簡単な方法との結論になりました。でもコストが大問題ですね ・・。

 Aクラシック系のソースではもうちょっとホールトーンが欲しい。
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■ 先日のデモでは、SPのバッフル面の手前の左右に拡散反射面を置くと(右写真)ステージの広がりと奥行きが増していました、SPパネルを3連にすることで 「もうちょっとホールトーンが欲しい」 に近付くことができると思います。

拡散パネルの背丈の決め方
 「フリースタンディングのようなサウンドステージを実現したい」、「楽器や Vocal に自然体の佇まいを与えたい」 と言うご希望であれば 1200mm の蝶番付きパネル 3set を左右のSPの背後と、センターに置くだけで事足ります。

 加えてコンサートホールのような高い天井やホールトーンが欲しい、となれば SP パネルを 600mm 延長して 1800mm にします(本件は珍しいケースで、 1500mm がベストでした)。

 もっとステージに近付きたい、ステージの奥行きや厚みを増やして更なるホールトーンに浸りたい、となれば、左右手前にパネルを追加してください。足元が低音で包まれるようになり、寛げる音空間になります。但しパネルの背が高すぎると音の厚みと解像度がトレードオフになるので、パネルの背丈を徐々に下げて回避します。

低音&超低音を聞えるようにするには・・
 部屋の左右の中間ラインにリスニングポイントがあると、定在波の谷にぶつかって低音の量感が不足することがあります。左右壁面の下部を拡散反射面で囲むと、低音楽器の倍音が拡散されるためでしょうか? 聴感では定在波の山谷が小さくなり、部屋全体に低音が行き渡ります。特に壁強度が低いときに効果大です。

 B音に濁りを感じる。
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■ アナログ回路・デジタル回路・サーボ回路などがごちゃごちゃと混在し、お互いが干渉しあうユニバーサルプレーヤーのようなものを除くと、ピュアオーディオの機器群に音を濁らすような要素は殆どありません。悪役はフラッターエコーです。Gallery-wave のような "斜めフラットパネル" で必ず改善されますが、コストを優先すればフラッターのエリアにピンポイントでカーテンやタペストリーを下げるしかありません。ホールトーンとトレードオフになり、音楽の躍動感を削ぐ行為なので、カット&トライで最小の量でフラッターが止まる位置を探してください。カーテンの替わりに竹や木のすだれを斜めに下げる方法であればトレードオフを回避できます。

といったところでしょうか。

 今後予定している対策は、まず、上記の@対策としてスピーカー間においてあるラックを試聴位置左横に移動し、センターパネルを追加したいと思っています。
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■センターパネルを床置きの1200mmにすること、今ひとつ物足りないと思われている低音楽器の輪郭が整い、低音楽器のヌケが改善されるはずです。

上記A対策としては、パネルを左右1枚づつ追加導入するのがよろしいのでしょうか?
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■ その方法が最もコストパフォーマンスが高いと思います。硬い材質のすだれも高音域のホールトーンを増やす効果があります。

 上記B対策は、フラッターをなくすことでなんとかなるのかな?フラッター対策は、フラッターを作り出している壁にすだれをかけてみようと思っています。効果ありますかね〜?
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■ これも ”すだれ” による方法が最もコストパフォーマンスの高い方法であろうと思います。斜めにすればより効果的です。

 ただ、その壁がかなり振動しているので、パネルを足したほうがいいのかな?的が外れていたらご指摘いただけると幸いです。
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■ すだれにより高音域の反射音が増えてブーミーな低音がマスクされる効果が期待できますが、壁振動が垂れ流すミッドバスの輻射音が阻止される訳ではありません。パネルに越したことはありませんが、左右の壁面は拡散反射はタブーですから Gallery-wave が必要で、コストが ・・・。後ろの壁面はLVでOKです。

 最終的には、御社のサブウーハーを入れたいです。部屋が狭い上に壁振動があるので、ハードルは高いと思いますが。長々と書いてしまって申し訳ありません。このたびは、本当にありがとうございました。大変、感謝しております。

 


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