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スピーカーの後ろに背丈1.2mのLV1200spを置くと、それまでスカスカだった空間にボーカルの佇まいが現れて音場表現力が格段にアップし、音楽のステージに奥行き方向の深みが加わります。 しかし音楽に付帯してヒトの心に得も言われぬ心地よさを感じさせる、上空に漂いそして消え入る余韻の再現性は背の高い LV1800sp と比べるとかなりの隔たりがあります。 上記写真はLV1200spをブロックで底上げした例で、最小のコストで上空に漂う余韻を再現する方法の一つです。視覚的なことを抜きにすれば、とても有効でローコストなルームチューンの方法です。 上空に漂いそして消え入る微弱な余韻の存在は、音の透明度が高くて、且つ天空から響きが降り注ぐ石造りの大空間の体験がないと中々認識出来ません。古来、木と紙の響きの中で暮らしてきた日本人の生活空間では馴染みの薄い音と言えます。 僕が34才のときプロデュースした東芝EMIの第3スタジオの設計コンセプトを模索するなかで行った欧州視察で、その重要度を認識した空間情報の一つです。 中世に造られた大礼拝堂の10秒にも達する長い響きは、ヒトの心を掴んで統治するキリスト教の布教アイテムの一つと考えることができます。その大礼拝堂に満ち々ていて人々を虜にする空間情報ですから、心に染み渡る音楽の浸透力を持つオーディオルームを作るとき、或いはルームチューンのとき、その成否を分けるくらい重要な響きです。 1800sp と 1200sp の音場表現力の隔たりは、上空の表現力の差そのものです。
正面左右のコーナーに設置したspパネルは、真ん中(蝶番部分)を若干手前に引き出すと視覚的にも心地良い音場になる。無償ルームチューンの設置例では”直角”と”手前引き”の比率は7:3くらい。 ![]() センターパネルの後ろに 5〜10cm くらいの隙間を作るとボーカルに自然な表情が付加されます。無償ルームチューンの設置例では100% 隙間有り。 ![]() |