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![]() ![]() もともと倉庫であった部屋を改装したオーディオルーム。「音がブーミーで音楽が楽しめない」とのことで、ルームチューンに伺いました。 壁は薄いベニア合板、フロントに3枚のフラッシュドア、右窓下も全てフラッシュドア、後も3枚のフラッシュドアで、振動するものばかりで構成されています。
典型的な壁鳴りによるミッドバス過多の症状を呈しており、測定せずとも残響時間の周波数特性が推測できてしまいます(下記グラフの青ライン)。 <グラフ 1> 柱強度が低かったり、ダンプされていない薄い壁材があると、スピーカーが出す低音で壁が揺れ、振動する壁材が低音を吸音する(グラフb,c)のと同時にミッドバスの輻射音(グラフa)を部屋に撒き散らします。 残響時間を測定すると上記グラフの青線のような周波数特性を示し、a の帯域(ミッドバス)の響き過多により必ずブーミングが発生します。
![]() ブーミング退治には、柱の補強、壁材の補強と振動ダンプが特効薬ですが、壁を剥がす工事に躊躇があれば、SVパネルによるミッドバスの吸音が次善の策です。<グラフ 1>の"a"の部分の比率が1.0以下になる量のパネルをオーディオルームに搬入するとブーミングは消滅します。 ミッドバスの残響時間が1.0以下になると、存在するが聞こえなかった低音(b)が聞こえるようになり、パネル配置を整えることで部屋中に分散していた低音楽器のフォーカスが本来あるべき位置(通常センター)に収束し、奥行きと広がりのあるサウンドステージが姿を表し、そのステージに楽器やボーカルの凛とした佇まいが浮かぶオーディオシステムが完成します。 本件は壁振動・フラッシュ扉振動が絡み合った最も難しい部類のルームチューンで、滅多に使わない吸音も組合わせてチューンを行いました。 1.床全面に敷かれていたカーペットのフロント側を撤去(SPとリスナー間のカーペットは百害あって一利なし)。 2.スピーカーの後ろの床面にバスタオルを左右各1枚。 3.スピーカーとGallery-bassoの間にバスタオルを小さく畳んで左右各1枚。 4.床の一次反射ポイント付近に折りたたんだシーツを一枚。 ●左のスピーカーパネルは部屋のコーナーに90度より若干開き気味(100〜110度)に設置。右は対称配置(後ろに空間)。 ●センターパネルは1200ctを2セット(壁振動が多い部屋では、2セットになることが多い)。Vの数が増えると低音も締まります。 ●サイドパネルは左右壁面に900サイズ各1枚が標準ですが、左右の壁が、材質違い・形状違い・振動大なので、片側3枚(1200,900,900)左右計6枚になりました。部屋の非対称を補正したため、サイドパネルの配置も若干左右非対称。 ●壁振動が多い部屋やRC打ちっ放しの部屋のとき、リアパネルがフロントに匹敵する効果を現すことが多く、本件でもリアに1200sp x 1、600 x 2 を配置。 ●製品パネル納品後に備えて、デモパネルの位置全てに養生テープで印を付けて無償ルームチューン完了です。
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