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ゴトウホーンは今回で3度目だが、共通して言えることは音が非常に素直で群を抜いて透明度が高いことです。昨今流行のトールボーイ型スピーカーは、ウーファーの口径が小さいためコーンの振幅が必然的に大きくなり、移動中のウーファーから中音域が送り出されるためドップラー効果でピッチが揺れてしまいます。IM歪みが構造的な欠陥と言えるほど大きいのです。 ホーンのシステムでは振動板と空気のインピーダンスマッチングが良いため、ダイレクトラジエーターに比べれば1/10くらいのアンプパワーで同じ音量を出すことが出来ます。つまり振動板の振幅が圧倒的に小さく済んでIM歪みから解放されるのです。 意識せずとも十二平均律由来のピッチのウナリが手に取るようにくっきりと聞こえてくる始末で、純正音程の音楽を聴いてみたいと我知らずに思ってしまうほど透明度が高いのです。
低音までホーンのシステムでは全帯域に渡って振動板の振幅が小さくて済むため、IM歪みから解放されて透明度抜群のスピーカーシステムが構築されるのですが・・、 しかし大層なデメリットもあります。指向特性が鋭いため昨今再生音楽に重要視されるサウンドステージを引き出しにくいのです。 しかし何故指向特性が鋭いと奥行きや高さを伴う立体表現が難しいのか?、ボーカリストがオーディオルームに生息しているかのようなリアリティーが欠落するのか? その理由を習得した上で部屋に適切な手を加えれば、ドーム型などのダイレクトラジエーター方式が登り詰めることが出来ない高見にホーンシステムなら到達できる可能性を秘めています。
下記がルームチューンで必要量を割り出し、納品させていただいたパネルのリストです。 ●StainVeiL1800sp x 2 ●StainVeiL1500ct x 2 ●StainVeiL900 x 2 ●StainVeiL600 x 10 ホーンシステムでは殆どの音が正面に集中してしまい、周辺に回り込む音が少ない。少ない量の楽音から間接音を分離してサウンドステージの奥行きを作り、ボーカルや楽器に佇まいを与えなければならないため、水平拡散パネルの量が標準より必ず多くなります。 標準配置 ![]() ![]() 部屋の床面積は24畳だが、中音ホーンのドライバールームが背後にあるので実効面積は20畳程度。スピーカー側の前半分はコンクリート壁面、後ろ半分はコンクリート躯体に板壁である。 SV1800sp、SV1500ct、SV900 がサウンドステージに奥行きを作り楽器やボーカルに佇まいを与えるパネル。 測定器によりタイムアライメント調整が済んでいるシステムなのでスピーカー配置を変えずにサウンドステージを作ったが、中音ホーン以上を手前に出すことができればホーンの開口部の後ろにパネルが並ぶ配置となり、更に佇まいが深くなるはず。 SV600 x 10 はミッドバスの吸音量の確保に必要な量だが、天井から降ってくる低音を着地させて足下に回り込ませ、ピラミッド型の安定感を得る効果も狙って周辺に設置した。 |