無償ルームチューニング 120

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ゴトウホーンのオーディオ専用ルーム

 ゴトウホーンは今回で3度目だが、共通して言えることは音が非常に素直で群を抜いて透明度が高いことです。昨今流行のトールボーイ型スピーカーは、ウーファーの口径が小さいためコーンの振幅が必然的に大きくなり、移動中のウーファーから中音域が送り出されるためドップラー効果でピッチが揺れてしまいます。IM歪みが構造的な欠陥と言えるほど大きいのです。

 ホーンのシステムでは振動板と空気のインピーダンスマッチングが良いため、ダイレクトラジエーターに比べれば1/10くらいのアンプパワーで同じ音量を出すことが出来ます。つまり振動板の振幅が圧倒的に小さく済んでIM歪みから解放されるのです。

  意識せずとも十二平均律由来のピッチのウナリが手に取るようにくっきりと聞こえてくる始末で、純正音程の音楽を聴いてみたいと我知らずに思ってしまうほど透明度が高いのです。


声及び楽器の基本周波数範囲
(Olson)
 オーディオルームの品位を決定する部屋の響きで最も重要な帯域が125〜250Hzのミッドバスです。

 その理由は楽曲を構成する殆どの楽器がこの帯域の音を発するからで、レコーディングエンジニアを職業にしていた頃の経験では、曲のアレンジが悪くてこの帯域に音が集中すると、電気的なエコーを加える前の響きの少ないドライソースの段階で既に濁ってしまいます。

 そんなアレンジの場合、
内声部を構成する楽器の音のミッドバスをGEQでレベルダウンするのが常套手段でありました。

 この事は再生空間(オーディオルーム)の特性にも当てはまり、ミッドバスの帯域の残響音が(震動音も含む)、中高音域に比べ多いとき、音の透明度が落ちて再生音がブーミーになります。

 低音までホーンのシステムでは全帯域に渡って振動板の振幅が小さくて済むため、IM歪みから解放されて透明度抜群のスピーカーシステムが構築されるのですが・・、

 しかし大層なデメリットもあります。指向特性が鋭いため昨今再生音楽に重要視されるサウンドステージを引き出しにくいのです。

 しかし何故指向特性が鋭いと奥行きや高さを伴う立体表現が難しいのか?、ボーカリストがオーディオルームに生息しているかのようなリアリティーが欠落するのか?

 その理由を習得した上で部屋に適切な手を加えれば、ドーム型などのダイレクトラジエーター方式が登り詰めることが出来ない高見にホーンシステムなら到達できる可能性を秘めています。

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Q:ステレオ誌や貴社hpで拝見するところ、尽きるところ、一次反射、残響音の長短、吸音より反射誘導あたりが音決めの本丸というのが貴社の商品理論と思われます。

 躍動感、ジャズのライブ感(が反射音や残響音で高まるであろうこと)は素人にも十分想像できますが、前後感、奥行きについては、今ひとつピンときません。

 奥行きがあるということは会場(前後左右)が広く、反射に時間がかかる(環境である必要がある)のではないかと思われますが、spの直近背後のパネル配置では、音像へ傾き過ぎるのではないかと、想像しています。これはこれで好む方がたくさんいらっしゃると思いますが、私は奥行きを、いや奥行きも必要と考えております。

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A:■背後壁面からの短いディレーの反射音にはサウンドステージの奥行きを作る能力がないとお考えのようですが、その通りです。実音(楽器の音)の反射が近距離から多量に加わると、ハース効果により、むしろ音像がにじんでフォーカスがボケてしまう結果になります。

 CDに納められた音楽ソースには、コンサートホールやライブハウスの響き、或いはエンジニアが意図的に加えたディレー付き残響音など、初期反射音に相当する長いディレーとそれに続く残響音が含まれています。

 ここで説明を簡略にする都合上、音楽ソースに含まれる楽器の実音とその残響音が電気的に分離出来、その量を自在にミックスできるものとします。

1.無響室に左右二つのスピーカーを置き楽器の音(ドライソース)を再生する。続いて残響音を徐々に加えてオリジナルのバランスを作る。音の移り変わりは、ドライソースが最もクリアな音で、残響音が増えるに従い楽器のフォーカスがボケてつまらない音楽に変化します。

 実音と初期反射音・残響音の発音場所が同一であるから起こる現象で、全ての反射音を吸音し尽くしたオーディオルームで音楽CDを再生したときの姿です。
 
2.無響室に左右二つのスピーカーを置き楽器の音(ドライソース)を再生する。ここまでは同じ条件です。続けて後ろ1m のところに残響音専用のスピーカーを2個追加し、残響音を徐々に加えてオリジナルのバランスを作る。

 今度はドライソースが最もつまらない音楽で、残響音を増やすにつれてサウンドステージの奥行きが深くなって音楽に躍動感が生まれます。

 残響音を楽器の実音の背後に配置することで音楽ソースに含まれる初期反射音のディレーが有効に機能し、全く異なる音場が出現するのです。
 
 楽器の実音は引き寄せず、間接音のみ反射パネルの表面に引き寄せるサーロジックパネルの物性がサウンドステージに奥行きや高さを再現するメカニズムです。

原文はBBSのNo.557:奥行のあるサウンドステージは何から作られるのか?

 下記がルームチューンで必要量を割り出し、納品させていただいたパネルのリストです。

●StainVeiL1800sp x 2
●StainVeiL1500ct x 2
●StainVeiL900 x 2
●StainVeiL600 x 10

 ホーンシステムでは殆どの音が正面に集中してしまい、周辺に回り込む音が少ない。少ない量の楽音から間接音を分離してサウンドステージの奥行きを作り、ボーカルや楽器に佇まいを与えなければならないため、水平拡散パネルの量が標準より必ず多くなります。

標準配置




 部屋の床面積は24畳だが、中音ホーンのドライバールームが背後にあるので実効面積は20畳程度。スピーカー側の前半分はコンクリート壁面、後ろ半分はコンクリート躯体に板壁である。

 SV1800sp、SV1500ct、SV900 がサウンドステージに奥行きを作り楽器やボーカルに佇まいを与えるパネル。

 測定器によりタイムアライメント調整が済んでいるシステムなのでスピーカー配置を変えずにサウンドステージを作ったが、中音ホーン以上を手前に出すことができればホーンの開口部の後ろにパネルが並ぶ配置となり、更に佇まいが深くなるはず。

 SV600 x 10 はミッドバスの吸音量の確保に必要な量だが、天井から降ってくる低音を着地させて足下に回り込ませ、ピラミッド型の安定感を得る効果も狙って周辺に設置した。