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その理由は・・ 1.左オープン、右ガラス戸で、左右からの一次反射音が非対称 スピーカーはJBLのスタジオモニターです。スタジオモニターらしく解像度だけを追求するのであれば左右からの反射音のアンバランスなど配慮はいりません、アンバランスだって解像度は得られます。 ・・・でも、楽しくなければ音楽じゃない、ボーカルがクリアに浮かび上がり、人肌の温もりをもって歌ってくれなければつまらない、と思うのであれば、左右対称の反射音は必須の要件です。ここで言う対称とは視覚的な対称ではなく、反射音のエネルギー量の対称性です。 左右からの反射音に差があると、サウンドステージの奥行きが浅く平べったいものになってしまい、楽器の重なりがごちゃごちゃして音色の微妙なニュアンスが見えなくなります。ボーカルもヒラメ顔の様になってしまい、緻密で潤いのあるボーカルは望むべくもありません。 左右にLVまたはSVパネルを置いて、サウンドステージの奥行きが深くなる位置を選ぶとヒラメ顔は解消しますが、リビング兼用のオーディオルームでは奥様の了解が得られなければ絵に描いたもちの如しです。 左に900と600mm、右に600mmのLVパネルで大幅な改善が得られましたから、倒れ止めの足を付けて普段は片付けることにすれば奥様の了解が得られるのでは・・・。 ![]() ![]() 左右からの反射音にエネルギー量の差があると、サウンドステージの奥行きが浅くなり、個々の楽器やボーカルの佇まいが平面的になって音楽の浸透力・躍動感などが確実に減退します。 平面壁に比べLV&SVパネルは拡散反射音のエネルギー量が格段に多く、このパネルを左右に置けば、この種のアンバランスは拡散音に紛れてしまって気にならない程度にかき消されてしまいます。 デモンストレーションですから結果を出すべく居間であることに目をつぶって左右にLV900と600を置きました。 拡散一次反射音が増えたことで部屋の非対称が覆い隠され、スピーカーパネル(LV1800sp相当)とセンターパネル(LV1200ct相当×2)の効果が最大限に発揮されるようになり、バッフル面にへばりついていた奥行きのないスタジオモニター的な音が一気に前後に展開し、ルームチューンの有効性を体感していただけました。
![]() 2.間口が広い オーディオルームの間口は2〜2.5間が使いやすいのですが、本件は3間だと思います。単に広いだけならSPを囲むようにLVパネルを置く、部屋のコーナーに置く、の二つを試して結果の良いほうを選べば良いのですが、キャビネットが複数あると、一筋縄ではいかないかも? と構えてしまいます。 伺ったところ、外側のキャビネットはウーファーのみを使っているとのこと。部屋のコーナーにLVパネルを設置したとき、内側のSPにその効果が及ぶのか?と心配になりますが、結果オーライでした。 普段と少しも変わらない効果を表してくれました。1.5間(6畳の短辺)〜3間まで、標準設置でOKとの確認が取れました。 スタジオモニターは一般に無表情に鳴ることが多いのですが(表情が豊か過ぎると録音の上がりが悪くなってしまうので、無表情でかまわないのですが)、過去の経験の無表情はスタジオモニターの特性ではなく、デッドなモニタールームの成せる業であったのだ、と痛感させられました。最後に聴かせ頂いた金子由香利さんのシャンソン、心に沁みる素晴らしい表現力で歌ってくれました。 |