無償ルームチューニング 116

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RCの部屋はいとも簡単に木造を超えてしまう

● 可能性は秘めているが、重大な欠陥があるように聴こえた


 1970年代竣工の市営住宅と伺ったと思う。SPのあるコーナーはRCに直張りの壁紙で、後ろに洩れた音楽のエッセンスも100%リスナーにキックバックされる。類稀なポテンシャルを秘めたオーディオルーム。

 そして襖や硝子で低音が外に適度に漏れる構造もブーミー感の抑制に大きく寄与している。エレベータの無い5Fのオーディオルームであった。

 可能性は極めて高いが、音は・・と言うと、重大な欠陥があるように当初聴こえた。「この音だと、音楽のジャンルの好き嫌い以前に、この装置で良い音と感じる曲しか聴かなくなってしまうのではないですか?」 と不躾な質問をしてしまった。

 「アイルランドの荒涼とした大自然を壮大なスケールで描いた名画のよう・・」と評されるエンヤの世界に全ての音楽が陥ってしまうのである。

 録音の異なる全てのCDで同じ音が出る??  正しくチューンされたオーディオ機器・オーディオルームとは言い難い。

 一時間ほど聴き込んでから判明したことだが、パワーアンプの300Bが原因と分かって一安心。


 中音域以上の帯域は歪みとも艶ともとれる300B独特の粒立ちのある解像度が垣間見え、スペース感のある低音域で包み込んで全ての音楽をエンヤの世界に引きずり込んでしまう。用途がBGMであればベストのチューンと言えないこともないが、ピュアオーディオでは情報量が少なすぎて殺風景と感じてしまう。

 高音楽器が宙に漂うところは音場の再現性が良いと解釈できないこともないが、ミッドバス以下の低音域はいただけない。所在不明な模糊としたベースが部屋中から聴こえる超スペースサウンドです。

 「オーナーの好みの音に違いない、LVパネルで定位を出してしまうと好みから外れてしまうだろう。パネルを持って5階まで上がるのだって容易ではない・・・」 等々思いを巡らして、ルームチューンを固辞したのだが説得できず、最小量のLVパネルを担ぎ上げることになった。


● LVパネルで解像度がアップしたところでオーナーの好みの察しがついた

 スピーカーがフリースタンディングの配置で、部屋の素性が良いとき、本件のような最小構成のパネルチューンが成立します。フロントコーナーにLV1800sp(デモパネルなのでLV600spの3段積み)、左右の一次反射付近にLV900(LV600とLV300の2段積み)。

 パネルの効果でベースが姿を現し、定位が明確になったところでオーナーの好みが明らかになりました。楽器やボーカルの定位と佇まいが確立された上で、エンヤの世界が欲しかったようです。

 パネルの効果で一つ一つの楽器の音がクリアになって、楽器の輪郭に纏わり着く微妙な艶が高調波歪によるビリツキ音であることが明らかになりました。300Bの動作点不良(バイアス電流不足)でした。300Bを別銘柄に交換して音源自身の解像度も上がり一件落着、低音楽器も鮮明な定位になりました。

 コンクリートで、低域が適度に外にこぼれる部屋は、少量の拡散パネルで最適な(低音域の)音場が出来るはず。と思っていましたが、初めて検証ができました。

 ルームチューンで印象に残ったことなど、各ページにコメントを付けることにしました。コメントは筆者の印象であり勘違いや間違いが含まれる可能性があります。間違いのご指摘やルームチューンの感想など、ご意見をお寄せください。 mur@salogic.com  村田宛。 本稿の続きに掲載させていただきます。

 早速投稿を頂きました。有難うございました。ページレイアウト変更の冒頭からインパクトのある内容で、掲載すべきかどうか悩んでしまうような内容ですが、いろいろなご意見に触れていただくことで、ルームチューンとは何ぞや、と言うことが分かって頂けると思いますので、原文のまま掲載致しました。

 私の文章力が乏しかったために誤解を招いた部分がございます。下記に補足します。

● ルームチューンを始める前の小1時間、いろいろなCDを聞かせていただきました。非常に個性的なまとまりがあったので、ことさら解像度を上げて楽器の佇まいを強調する必要は無かろう、と判断しました。

 商品を押し売りするつもりはありませんので、「今のままで良いのではないですか、ルームチューンの必要性は無いと思いますよ」と繰り返し申し上げたつもりです。

● 最近のレコード会社のスタジオ事情には精通しておりませんが、音楽鑑賞のためのオーディオルームが要求するようなVocalや楽器の佇まいの再現性をモニターに求めてはいないはずです。

 なぜなら単に楽器を組み合わせて、ハーモニーのバランスを整えただけで楽しい音楽に聞こえてしまうようなスタジオで作られた音楽は、オーディオ再生で、くそ面白くない音楽になってしまうからです。

 超スペーシーなサウンド(これはオーナーの意図した音ではなかったのかもしれません。私に聞かせるために良かれと思って300Bを交換した)に定位を加えたことで、こじんまりまとまった印象を受けられたのだと思います。

 セット自慢を受けるために伺っている訳ではありません、普段の音を聞かせてもらわないと全く無意味なルームチューンになってしまいます。300B交換後、パネルをはずした音は聞いていないので想像ですが、本来のクォリティーはもっと高かったのでしょう。

● 徹底的に趣味の音に作り変えて全ての音楽を楽しく聴こうとするも良し。プロデューサーが意図したイメージを追うも良し。プライベートな趣味の範疇だ、と考えれば、どちらも正解です。前者の嗜好部分の強さを感じ取ってルームチューンの必要性は無いと固辞しましたが、実は壊れかけのセットの音をオーナーの好みの音と思ってしまった私の勘違いが話の食い違いを生んでいるものと思います。オーナーも300Bを交換したばかりで、その不具合に気付いていなかったようですから ・・。

 オナーには不評のようですが、実はこの体験は真田のデモルームの構想にリンクします。真田のデモルームはフロント:石系、リア:木系、で構成する予定です

● LV, StainVeil, Galleryパネルは録音現場(コンサートホール、ライブハウス、スタジオ)の音場を再現し、Vocalや楽器の佇まいを、凛として、しかも柔やかで力強い表情にするためのアイテムです。

 本件を参考に、無償ルームチューンが有効ではないかもしれないと思われる事例では、お申し込み前にお問い合わせください。拡散パネルを置くスペースが無い部屋も無償ルームチューンの対象外です。

 サーロジックさんの言われた吸音材をなくす。カーテンはずし簾が良いとのアドバイスは的を得ていて納得し非常に好結果でした。又、東芝EMIの録音ソースは音色変化していて、エンジニアはさすが良く音楽性が分かっていると思っておりましたので当日は期待して楽しみにしておりました。しかしながら日本的、モニター的音質とは好みが合わず、また音色の横変化が向上しなかったのは残念でした。又、試聴を固辞したのに無理やり試聴させられたとありますがこちらとすればあまり良い気分ではありません。やんわりと今のままの方がよろしいのではと言われたと記憶しております。
 お話では(中高域の帯域は拡散している)との事でしたが実際には吸音されていました。私の周りの知り合いにも忠告されましたが、データで最適な数値にしても実際に良い音になる事とは別問題だと言ってました。それに関しては無視も否定もできないとは思っております。人それぞれの好みも絡んできますし、オーディオとは不完全なものだけにだからこそ趣味なのですし致し方ないのかも知れません。
 残念ながら他社のルームチューニングが気に入り選択と相成りました。


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