Last update:070206
 リビングに少し防音を施しオーディオ機器をおいてクラシック音楽を楽しんでいます。

 リビングは約十畳でダイニング(約6畳)とキッチンとつながっています。ダイニング+キッチンの天井はフラット(約2.7m)ですがリビングは勾配天井となっております。スピーカーはリビングの短辺側約2.5mの幅の壁側に設置してあります。

 添付した写真のようにその壁の真ん中には収納があり一番下の扉の中にはオーディオ機器が、真ん中の段にはテレビが、一番上は本などの収納となっています。

 その収納と部屋の壁に囲まれたところにスピーカーが置いてあります。幅約59cmのスペースです。現在のところスピーカーから後方の壁までの距離は、スピーカーの内側で52cm、外側で59cmとなっています。

 妻の好みにて、リビングには人工皮革製のソファー1つだけリビングの横に広がるダイニングにもダイニングテーブルと椅子のみしか置いてなくリビングは勾配天井で高いところで4.5mぐらいありますので非常にライブな部屋となっています。それゆえに音量を上げていくと低音がブーミーになってきますし、高音も伸びきっていない印象があります。

 そこで貴社のStainVeilを使ってみようかなと思っております。スピーカーはMcintosh XRT25でツィーターコラムの頂上までなら220cmもあります。ミッドレンジとウーファーを収めてあるユニットは高さ7〜80cmぐらいとおもいます。このような形のスピーカーではどれぐらいの高さのStainVeilをスピーカー後方に設置すればいいのでしょうか?またこのようにスピーカー後方のスペースの小さいところですがどのように設置するのが良いのでしょうか?





 > 非常にライブな部屋となっています。それゆえに音量を上げていくと低音がブーミーになってきますし、高音も伸びきっていない印象があります。

■仕上げの壁材などの記載がありませんので、大きく二つのケースに分けて原因を考えてみます。
 
<RCの躯体に塗装または壁紙>  
 剛壁に囲まれた例で、定在波とフラッターエコーが主体で壁振動が無いケースです。典型的な伝送特性が右のグラフです。詳細は”Page-S”を参照してください。フラッターエコーはレベルが低いので伝送特性には表れませんが、残響特性には大きな影響力を持ちます。概ね1kHz以下の帯域の残響時間が徐々に長くなり、音楽の躍動感が失われます。

 右データの部屋サイズは5040×4370×3600で有害な定在波の帯域が33〜100Hzです、本件では最短辺が2500mmですから、有害な定在波の上限が140Hzくらいであろうと思います。定在波による伝送特性の暴れのうち、100Hz以下のピークはむしろ音楽を楽しく聴かせてくれる要素を含みますので対策なしで良いこともありますが、125Hz以上は残響音と合わせて吸音などの処理が必ず必要です。

 RCの部屋の残響特性の特徴はミッドバスの残響時間に表れます。中高音域に比べてミッドバス(125Hz〜500Hz)の残響時間が長くなり過ぎる傾向で、典型例が右のグラフです。但し板振動(木造の部屋)によるミッドバス上昇ではないので、LVパネルなどで初期反射音を増やし、中高音域の残響時間が長めになれば音楽の躍動感が回復します。
<RCの部屋の伝送特性>


<残響時間> Original  LV設置

<プラスター(石膏)ボードなどの板壁に塗装または壁紙>
 
柱、間柱、胴縁の組み具合でその振動特性(共振周波数)に大きな差が出ますが、一般に板壁はミッドバスで振動して直接音のミッドバスを吸音します。しかしその振動が持続すると、ソースに含まれていなかったミッドバスの振動音が垂れ流され、ブーミングの原因を作ります。その存在は残響時間の測定で観測することができますが、振動音と残響音の区別が難しく、建築音響のプロフェッショナルでも測定データのみで的確な判断を下すことはできません。壁構造の確認と組み合わせて判断する必要があります。

 
100Hz以下にも壁振動による振動音の付加がありますが、この帯域の振動音は音楽を楽しく聴かせてくれる要素も含みますので(アルテックやタンノイのキャビネット)、弱い振動であれば、有益/有害が拮抗します。

 しっかりした柱を建て、胴縁をしっかり作ると板壁の共振周波数は125〜250Hzになります。ぶかぶかであれば125〜500Hzの共振音を垂れ流して音楽がブーミーになります。

板壁の吸音率 (建築の音響設計/オーム社 永田穂著 より)


非常にライブな部屋となっています。それゆえに音量を上げていくと低音がブーミーになってきますし、高音も伸びきっていない印象があります。
 本来ライブとブーミーは無縁のものなのですが、板振動があると音量を上げるに従いブーミー感が増す傾向になります。壁振動については写真や文面から推測することはできませんが、センターの収納はかなり怪しいと思います。SPキャビネットに囲まれているので、SPキャビネット相当の強度が無いとブーミングの原因を作ります。

 SP周辺に非常に限られた空間しかないことと、居間との折り合いが必要ですから、下記図面のパネル配置をお薦めします。コーナーのパネル(StainVei1800)が奥行き方向の立体感を作り、収納を囲むパネル(StainVeiL1800)が収納の振動を防ぎます。6枚のパネルによるミッドバスの吸音効果でブーミングが減少します。

 コラムツィーターの周りがStainVeiLパネルで囲まれることで、中高音域の初期反射音が増え、高音域の伸びも良くなります。-spパネルの背丈は通常1800mmがベストなのですが、2200mmのコラムですから更に高くしたときに更なる向上があるのか?(フリースタンディングであれば1800mmがベストです)。低いほうがベストになる可能性ないので、-spパネルは-Plus仕様をお薦めしておきます。後日無償ルームチューンの機会があれば、100〜300mm程度積み重ねてベストサイズを確認したいと思います。

 SPの間にTVなどの平面があるとその平面に音像が定位してしまい、サウンドステージの奥行きが浅くなったり平板になる現象が起こります。センターの収納も平板の原因になりますので奥に下げることをお薦めします。裏板の振動の漏れも減って一石二鳥です。

 収納の構造で一つ気になる点があります。TVの周りに空間があり、その右の扉の部分と初期反射音の質や時間が異なることです。音像の佇まいの形成(特にボーカル)に最も重要な空間であり、可能な限り左右対称にしたいエリアです。TVの周りの空間を木工品などで埋める工夫をするとサウンドステージの奥行きも深くなります。TVが後退気味であれば扉と同平面まで引き出してください。


● センターの収納を後退させる。
● TVの周りの空間を木工品などで埋める。
● StainVeiL1800を左右に各3枚配置。


 当方のスピーカーユニットの交換が思ったように事が運ばす、ユニットの入手が不可能との事でこれからエッジ修理に出すところです。
 当初メールに書き込みました、過剰なライブ感やブーミー感の強かった低音もなんだかんだと機器などをいじくっている間に、新居であった部屋のほうも落ち着いてきたのか、自分が環境に慣れてきたのか、あまり強くは感じなくなってきています(中音ユニットのエッジ破損による変化でしょうか?)。
 ページに書いていただいた件ですが少し修正があります。スピーカーの間にある収納棚は実は建て付けてあり奥は後ろの壁までありますので、後から置いたような可動式の物ではありません。あと音楽を聴くときはテレビ画面の前には発泡スチロールでできたQRDのスカイラインもどき(60x60cm)を2枚立てかけています。
 スピーカー後方に3枚のパネルを”コ”の字様に設置する案をご推奨いただきましたが、これを2枚のパネルで逆”V”字型にして留置するのとでは大きく変わる可能性がありますでしょうか?コスト的には2枚でいけたら有難いのですが。

 少量の拡散パネルでルームチューンを行う場合、パネル表面がリスナーから沢山見える位置に置くのがサウンドステージに奥行きをつけるコツです。従って収納側の斜めパネルを省略した形をお薦めします。パネルを壁に固定することにすれば蝶番は不要です、蝶番なしにすれば逆V字にも置けますのでお試しください。


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