昨年、出張ルームチューニングでお世話になった大阪の ** です。
  
このたび、念願かなってPMC BB5を購入しました。(いままでは、ダイヤトーンDS10000)
現在、LV1200を左右に、LV600を2組センターに、映画を見るときは、半分にできるように(センターの上を除く)使用しています。
 しかし、BB5の低音(超低音ではなくベースギターの低い音)が出すぎています。この対策を講じたいのですが ・・・

  LV1200を2セットそれぞれ部屋の左右後方に置き、LV600セット(LV600、6枚組のぶん)を、あちこちにおいて調整すればどうかな?と、おもっています。いかがでしょうか?
 正確な記憶ではありませんが、ダイヤトーンのときもスピーカーが出している低音に、部屋の低音が重なっていたように記憶しています。BB5の低音は、レンジ・エネルギーともに遙かに強力ですから、部屋の壁鳴りが輻射するミッドバスがスピーカーの直接音のエネルギーを超えてしまっているものと思います。
 
 処置は壁強度のアップですが、壁裏の間柱&桟木がしっかりしていれば室内側にコンパネなどを重ね貼りするのが最もコストがかからない方法です。弊社のパネルを使い、振動の強い部分の壁面を覆ってしまう方法も効果的です。
 
 ちょうど2週間先の”22日(金)〜25日(月)”に、名古屋・広島・愛媛にパネルの納品とチューニングに出向きますので、ご都合がよろしければデモパネルで確認して頂けるようにスケジュール調整をいたします。ご都合は如何でしょう?


と言うことで、BB5の調整に伺いました。下記測定データの
● 左の列がダイヤトーン用であったLVパネルの配置を、そのままBB5に流用したときの伝送特性。
● 右の列はデモ用のLVパネルを追加したときの伝送特性。リスニングポジションの前0.5mの伝送特性が特に優れている。


ピンクノイズとFFTで測った伝送特性

 左の列はパネルが少ないオリジナル状態の伝送特性、右の列はパネルを追加し、パネル配置を聴感で追い込んでベストと判定した後に測定したもの。もうひと息追い込めば 0.5m前方の特性をリスニングポジションに移動できる可能性がある。センターパネルがダブル配置(本件はトリプル)以上であれば、パネルの開き角度でスゥイートスポットを前後に移動させることができる。トリプル配置では、センターパネルの角度でボーカルの佇まいのサイズ(口の大きさ)を決め、左右の背の低いパネルの角度でスィートスポットの微調整をする。背後の壁面にLVパネルを置く方法も効果大。

 この日のチューニングは、朝9時スタートで名古屋、大阪、大阪の3件目で、この時点で深夜3時を回り、翌日が広島9時であったために、ここで終了とさせていただいた。

● LVパネル配置の結論は、フロントに LV600ct×4、LV1800sp×2(右の写真相当)。リスナーの背後の壁面にLV1200sp×2(左の写真のSPパネルを流用) となった。

LV1200sp×2、  LV600ct×2(縦積み)
LV1800相当sp×2、  LV600ct×4
SP軸上1m(Rch)
SP軸上1m(Rch)
SP軸上2m(Rch)
SP軸上2m(Rch)
リスニング・ポジション前0.5m(Rch)

リスニング・ポジション前0.5m(Rch)

リスニング・ポジション(Rch)

リスニング・ポジション(Rch)

リスニング・ポジション後0.5m(Rch)
リスニング・ポジション後0.5m(Rch)
注: 測定毎にプリアンプのVRを絞ったので、測定音圧は変動しています

測定データから分かること
●軸上1mの位置では位相が整合しないためか?、サブウーファ(D.Cube2)の効果は殆ど現われていない ●BB5の低音域は30Hzまでフラット、その下は約24dB/oct で下降する ●どの測定位置でもLVパネルが多い右側の測定データが優れている ●BB5とD.Cube2はベストバランス、16Hzまでほぼフラット


 インパルス応答も測定してあります。後日データを追加します。

センターパネルの3列配置
 センターパネルに奥行き (蝶番で折り曲げると拡散反リブが奥行き方向に並ぶ) を与えると、低音楽器に立体感が生まれ、ベースやキックドラムの切れ味が向上する。ベースの低音が多少もたつく程度の症状であればセンターパネルの量を増やすことで解消される。本例ではスクリーンの幅を使い 3setのセンターパネルを配置した (数を増やすと効果が強く出る)。「BB5の低音 (超低音ではなくベースギターの低い音) が出すぎ・・・」の症状は十分に改善された。

 壁鳴りは本棚の奥にコンパネをはめ込み、本を詰め込む方法でオーナーが対応の最中である。背後に残る裸の壁面は、ダイヤトーン(DS10000)用のスピーカーパネルであったLV1200を前面に置いて対応していただくことになった。

 
3列配置の注意点
 センターパネルの左右に背丈の低いパネルを置くと、センターボーカルの定位が若干低めになることがある、本例ではBB5の上部に乗ったツィータ (CLT-1) にボーカルの引き上げ効果があったため、うまくバランスがとれたようだ。ピュアオーディオ専用ルームであればパネル移動の手間が無いので、センターパネルを 1500〜1800 にすることで、ツィータの効果なしでバランスが取れる筈である。



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