好みの音色などを伝えてサウンドアティックスに製作依頼したスピーカーシステム。キャビネットとSPベースは板厚18mmのフィンランドバーチ材で製作。


使用ユニットは
Woofer
Scan-speak 18W8531G

Mid-range
Max MF-130L75 タンデム
・ ミッドレンジのキャビネット部分を2層に仕切り後方キャビネットに背圧調整用として1本マウント

Tweeter
Scan-speak D2905/9700

 なぜ近頃オーディオファンの人口が減っているのだろう?・・ と考えるとき、日本のオーディオの創生期の頃を思い出します。オーディオマニアの多くは中学生・高校生の頃から日々の小遣いでスピーカーシステムやアンプを自作する人たちでした。オーディオの趣味が小遣いでスタートできたからオーディオ人口が多かったとも言えるでしょう。

 オーディオ機器がデジタル化され、DSPの積和演算の速度がもう一息速くなれば、FIR仕様のデジタル・チャネル・ディバイダーの付いたデジタルプリアンプが商品化されるでしょう、その時期になればスピーカーシステムの自作が一気に簡単になります。音の良いユニットを選び組み合わせるだけで同じユニットを使っている高価なスピーカーシステムに引けをとらないか、もしかすると、それ以上のクォリティーのオリジナルスピーカーシステムが完成してしまうからです。

 理由は「LCのネットワーク」、「アナログのディバイダー」、「IIRのデジタル・ディバイダー」の全てに共通の欠点であった、フィルターによる位相回転がゼロになるからです。位相補正回路自身は音を悪くする方向にしか働かないにもかかわらず、フィルターの位相回転やユニット自身の位相回転を補正せざるを得なくて使われています。そしてこの回路の設計が音作りのノウハウになっているのですが、この部分が不要になるのです。

 好みの音質のユニットを揃えるだけでスピーカーシステムが完成するのですから、ローコスト・ハイクォリィティーのスピーカーシステムが簡単に完成します。

 ところでサウンドアティックス社設計(LCネットワーク)によるこのスピーカーシステムの音色は市販の高価なスピーカーシステムとさして変わりありません、ハイエンドのシステムとの違いは低音域が重厚であるか否かの違い位のものです。低音〜超低音の領域以外は自作で十分なように思います。

 LVパネルは採光を考慮してLV600-pLusの脚付きとしました。センターパネルをLV900にすることもできたのですが、Vocalの定位が下がるので避けました。ボーカルでは佇まいと潤いが生まれ、オーケストラでは奥行きと広がりが感じられるサウンドステージになりました。



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