外への音漏れももちろん気になりますが、それ以上に、自分が北海道にいたとき、北海道の中でも大変な田舎だったので、もともとこちらとは比べ物にならないほど静かなところだったのですが、それでも、雪が積もった日はその吸音効果でさらに周囲が静かになるために、音楽がいっそう美しく聴こえる、という経験から、環境騒音とのSNがいかに重要か、ということが身にしみています。

 以前きていただいた(現在使っている)リスニングルームも、コンクリート造の建物の中の、さらに廊下に囲まれた倉庫なのでSNは極めてよく、そのことからも、今回、何とか環境騒音を小さくしたい、と思っております。


外観立面図


オーディオルーム平面図(遮音内装なし)


遮音内装追加(青色で記載)


遮音構造の仕様を提示して建築契約を取り交わす

 オーディオルームの躯体は一般住宅と比べたら遥かに複雑であり、施工も大変厄介です。工務店を選ぶには、遮音工事(工務店)と調音工事(サーロジック)の境界が明確な構造設計案を作り、遮音構造の意味が理解できる工務店を選んでください。

 本件の場合を例にとると、オーディオルームを作ることは伝えてありましたが、その構造の打ち合わせをせずに契約を結んでしまうというミスがありました。工務店との契約完了後に遮音や調音のご相談をいただき、いくつかの提案をしたのですが、理解してもらえない、という結果になりました。

 その結果、調音工事(段取りがよければ工期2〜3日)に先立って、普通に作ってしまった躯体の改造工事が必要になり、改造に20人工相当の手間とコストが発生しました。契約前に工務店に遮音構造を提示しておけば通常のコストに収まっていたはずです。

 新築ですが、壁を剥がす工程がないだけで、改築と全く同じ手順の遮音工事と調音工事です、オーディオルームの改装を考えている読者には十分参考になると思います。




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