緩傾斜の切妻天井

フラッターがセンターに集中する

 切妻天井では上下のフラッターエコーが部屋の中心線に沿って発生する。平面天井に比べればその総量は少ないのだが、リスニングエリアを直撃するため、とても耳に付く。吸音スカラホールで殆んど消える。
板が反るとフラッターが減る

 総杉板貼りで天井に傾きがある以外、すべて平行壁である。板張りであるから、さぞフラッターがきつかろうと想像したが思った程ではなかった。

 オーナー曰く「部屋が完成した当初はもっとフラッターが多かった、月日と共に減少した」とのこと ・・、

 何故だろうと眺め回して見ると、杉板に反りが出ている。部屋にもエージングが必要と言う御仁がいるようだが、はじめから壁を傾けておけば完成と同時にエージング完了である。


リスニングポジション、チューン前
1A H=900mm
1B H=1200mm
1C H=50mm
1D H=200mm
● 暖傾斜(本件は6度)の切妻天井の場合、上下の定在波の節(低音が希薄なエリア)は平面天井と同じ上下の中間(H=1200mm)に現われている。床面が節になる定在波が強ければ、H=50, H=200の100Hz以下に凹みができるはずだが、その傾向は見えない。可能性のあるエリアが定在波と同じ狭いエリアであるから目立たないのであろう。

コーナー、チューン前
2A H=900mm
2B H=1200mm
● 定在波理論どうり、部屋のコーナーでは低音域(100Hz以下)の音圧が高くなった。

部屋のセンター、チューン前
3A H=900mm
3B H=1300mm
● 定在波理論どうり、部屋のセンターでは低音域の音圧が低い。




リスニングポジション、チューン後(2回測定)
4A1 H=900mm
4A2 H=900mm    拡大
● 低音域の凹みがほぼ解消した。


● 天井センターのフラッターエコーは吸音スカラホールで解消。


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