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パワーアンプ

 多チャンネルマルチなので高度なアンプを沢山作るには相当な時間がかかる。そこでパワーオペアンプを使って急場をしのぎ、徐々に入れ替えることにする。

 淡々とした音で、躍動感のある音楽を奏でてくれたかどうか定かではないが、そこそこハイパワーで部品点数が少ないNational Semiconductor のLM3886 で16〜20chのアンプを手始めに作る。最大出力125Wの能力があるから無調整で50W/4Ωは優に出る。

 アンプケース1個に納まらなければ2個にするが、多チャンネルのマルチ入力ではグランドループによりハムが混入してS/Nが稼げない可能性が高い、入力の形式はバランスとする。

 BURR-BROWN(T.I) の INA103 はマイクロフォンプリアンプにも使えるLow Noise, Lowディストーションの差動増幅OPアンプで、Gain10倍程度のときの特性がオーディオ用途にピッタリマッチする。

 下記がアンプ 1ch分の回路図


 LM3886より明らかに音楽性が高いパワーOPアンプがSanyoのSTKシリーズ。メーカー指定の半分くらいのNFB量にすると躍動感のある音楽を奏でてくれる。ディスコンのシリーズ(STK4040であったと思う)での体験だが、STK404と同じラインアップなので傾向は同じだろう。

 STK404シリーズがモノーラル仕様で、ABクラス90〜180W のパワーアンプ。RL=6Ωとなっているが、控えめなパワーで使えば4Ω使いも可能である。ばら売りしていないので現状入手が難しそう。10年くらい以前に入手してデッドストックになっているものが50台分くらいあるはずなので探し出さねばならない。

 STK433シリーズがステレオ仕様で、ABクラス80〜150W のパワーアンプ。RL=6Ωとなっているが、控えめなパワーで使えば4Ω使いも可能である。このシリーズは電子パーツ通販のRSで入手可能。

久し振りにアンプを作るので書籍を買い集めた

 久し振りにアンプを作ることになったので書籍を買い集めた。MJとトラ技術系の本ばかりなので、ラジオ技術系のライターの書籍で参考になるものがあれば、メールやBBSでご教授下さい。


 これらの中から手軽に作れそうなアンプとして「半導体アンプ製作技法/窪田登司」から、173ページの回路を借用して、出力段No-NFBアンプを試作し、No-NFBの音を確認したい。

 下記がアンプ 1ch分の回路図。SW1でINA103のPin10〜Pin11をショートすると出力段No-NFBアンプになる。INA103のPin11とSP端子をショートするとNFBアンプになる。

 INA103のVs=±24VだからINA103のOutputVoltage=±20V(INA103のSpec Sheet参照)。従って最大出力は50W/4Ω程度。ブリッジ接続にすれば最大出力200W/4Ωのアンプになる。バランス入力なので2回路用意して、CN1のPin1、Pin3をクロスに接続するだけでブリッジアンプになる。

 出力段FETのIdの最大定格が7Aだが、200Wrms出力時にはFET 1個当たり3.5AのIdが流れる。ピーク出力時の400Wでは4.95Aで、もはや危険領域。パラになったFETの特性にバラツキがあればIdが均等に配分されるとは限らないので、ブリッジ接続では出力段のFETは3〜4個パラが安全。

 U3、U4は電源回路なので、このブロックを省いて眺めてみれば、抵抗14本、コンデンサ1個、VR3個と半導体5個で構成できる超簡単な50W/DCアンプ(BTL構成なら200W)である。無帰還アンプの音も楽しみだ。
 


 INA103のデータシートには応用可能な参考回路が多数ある。いくつか拾い出すと、

1.オフセットアジャスト。空きピンになっているPin3、Pin4に10kΩのVRを追加するだけ。なお出力段のGain=1なのでこのアンプの増幅度はINA103のRgの値で決まる(G=1+6kΩ/Rg)。  Rg = VR1+R3 = 2.2kΩ〜200Ω(回路図参照)なので、G=3.7(11dB)〜31(30dB)。15〜30dB程度で使用すれば良いだろう。


2.抵抗を3本追加すれば出力段のNFB量を任意に設定できる、この回路は加えた方が良さそうだ。NFB量と再生音の関係が確認出来る。R1をSP端子に接続すれば良い。


3.OPA627による直流帰還回路。出力オフセットをゼロ補正できる。このOPA627もオーディオ用に最適なOPアンプで、下手なディスクリートより遙かに高品位な音を聴かせてくれる。しかし値段が高くておいそれとは使えない。OPA627のCommon-Mode Input Rangeは11.5Vであるから、INA103や出力ステージの電源電圧が12Vを越える場合は高耐圧のOPアンプに変更が必要。

金田明彦氏のパワーアンプ

 真空管アンプは学生時代にかなりの数を作ったが、当時トランジスタは生まれたばかりでハイパワーのディスクリートアンプは作ったことがない。金田式DCアンプを研究させて頂いている。来年の春までにラインアップに加えたい。

 テクニカルサンヨーから完成品が購入できるようだ、No.164(4Ω105W、SPプロテクター搭載)またはNo.167(4Ω112W、SPプロテクターなし)の購入を検討中。

 金田さんも認めているように、電源分離形は性能劣化がある。ということで167に決定。2SK2554の温度ドリフト、2SK117BLのS/N、などを検証してOKとなればデモルームのメーンパワーアンプとして採用したい。

 近年ピュアオーディオ用のパワーアンプを作ろうと思ったことが無かったのでMJも全くご無沙汰であったが、昨年来の定期購読とオークションで収集した2000年以降のバックナンバーで金田さんの記事を拝読して、理詰めで説得力のある設計に感激しました。これはもう金田式アンプを作るしかないですね。金田アンプフリークがわんさといる理由が良く分かりました。

 ・・ということで、早速部品の調達を開始、初段のFETはバラツキが多いので、2SK117BLを500個発注。次は2SK2554だが、500個だととてつもない金額になるので数量検討中。

サブウーファ用のパワーアンプ

 サブウーファに使う1kW超のアンプはSW2000DやD.Cube2に組み込んだデジタルパワーアンプを流用する予定。